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薬学臨床推論[電子版付] 増補版
臨床での考えかた
筆頭著者 川口 崇 岸田 直樹 (編)
南江堂
電子版ISBN 978-4-524-40467-4
電子版発売日 2024年1月22日
ページ数 348
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-524-40457-5
印刷版発行年月 2023年12月
書籍・雑誌概要
「考える薬剤師」になるための臨床推論の教科書.「副作用の判断」「緊急性のある病態の見極め」「医師等への的確な情報提供」のための思考過程を学ぶ.単なる実用書とは一線を画す体系的な構成で,現役薬剤師にも推奨.臨床推論による実際の問題解決事例を多数収録.今回の増補では薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版/平成25年度改訂版)対応一覧表を追加し,電子版付とした.
目次
【内容目次】
Chapter0 イントロダクション
0-1 薬学における臨床推論の重要性
A 臨床推論ってなんだ?
B 薬学における臨床推論
C 本書で何を学ぶのか?
0-2 薬学臨床推論のスキルをもった薬剤師と医師がつくりあげる新しいチーム医療
A はじめに:臨床の患者のそばで活躍する薬剤師に!
B 臨床推論とは?
C 臨床推論3つのプロセス
D 薬学臨床推論5つのコンポーネント
Chapter1 病歴と身体所見
1-1 患者ID,主訴,現病歴と既往歴
A ベッドサイド精神を忘れない
B 基本的なマナー
C 患者IDの重要性
D 主訴とは何か?
E 現病歴をまとめる ~問診で最も大切な作業~
F 既往歴の集め方
1-2 その他の病歴,システムレビュー(ROS)
A 臨床推論を行うために必要な患者情報
B 薬物治療上の問題を判断する視点
1-3 バイタルサインと身体所見
1-3-1 バイタルサインの生理学的解釈法
A バイタルサインの異常値を確認する
B 危険なバイタルサインかどうかを認識する
C 危険なバイタルサインの種類
D 慢性のバイタルサイン異常の評価
1-3-2 身体所見の解釈法
A 危険なバイタルサインとの併読
B 身体所見の意味
Chapter2 医療における意思決定(診断・判断)のプロセス
2-1 臨床推論のモデル
A 臨床推論の流れ ~これまでの章を振り返りながら~
B なぜ臨床推論モデルを学ぶのか?
C 実際の症例を用いて臨床推論モデルを経験してみよう!
D モデル0:二重プロセスモデル ~System1 vs System2 !?~
E モデル1:徹底的検討法
F モデル2:演繹的推論
G モデル3:仮説演繹法
H モデル4:ベイズの定理を用いた推論
I モデル5:アルゴリズムを使ってみる
J まとめ
2-2 バイアスと診断エラー
A 診断エラー(diagnostic error)とは何か?
B 診断エラーの背景は複雑である
C 認知バイアスとは何か?
D 診断はチームで行う
E 診断エラー対応において薬剤師の役割は大きい
2-3 検査特性
A 検査の考え方
B 感度と特異度
C 陽性適中度と陰性適中度
D 尤度比
E 診断にいたる可能性の変化をイメージする
2-4 臨床推論の法的側
A 薬剤師の業務
B 医師法
C 絶対的医行為,相対的医行為
D 臨床推論の注意点
E 薬剤師の業務のための臨床推論
Chapter3 セルフケアの推論
3-1 風邪の推論 その1:典型的風邪型 岸田直樹
A 風邪とは何か?
B 風邪(急性上気道炎)の定義
C 風邪診療は意外にあなどれない:その現状を把握する
D 「風邪」に対する医療者の役割とは?
E 風邪のイメージからわかる風邪(ウイルス性上気道感染症)の特徴とは?
F 3症状チェックのコツと注意事項
G おわりに ~風邪のQ&A~
3-2 風邪の推論 その2:鼻症状メイン型
A 鼻症状メイン型とは?
B 副鼻腔炎
C アレルギー性鼻炎
D セルフケアのすすめ
E 具体的な症例
3-3 風邪の推論 その3:のど症状メイン型
A のどの構造
B ケーススタディ
C おわりに
3-4 風邪の推論 その4:咳症状メイン型
A 咳症状メイン型とは?
B 病歴聴取のコツ
C 咳の患者でOPQRSTを実践してみよう
D 咳嗽(咳)の分類と主な原因
E 咳症状メイン型で見逃したくない疾患と病歴聴取のポイント
F 薬局を活用した咳のケア
3-5 痛みの推論
A 「痛みのOPQRST」から腹痛の原因に迫る!
B 危ない頭痛をかぎ分ける! 頭痛のレッドフラッグサイン
C その頭痛……本当に風邪ですか?
Chapter4 副作用の推論
4-1 有害事象と副作用
A 副作用は個々の患者にとっても社会にとっても重要な問題
B 副作用とは?
C 副作用の候補としての有害事象
D 簡単ではない因果関係の評価
E 因果関係評価は学習過程
F 有害事象を副作用と判断する2つの基本的な考え方
G 日米欧の規制の違いと動向
H 有害事象が副作用と呼ばれるようになるまでの道のり
I 個別症例のレベルでの因果関係判断基準
J 集積された情報のレベルでの因果関係判断基準
K まとめと今後期待されること
4-2 副作用の臨床推論
A 一筋縄ではいかない副作用の臨床
B 臨床で求められる判断
C 判断のプロセスと臨床推論
D まとめ
Chapter5 薬学領域における臨床推論の活用
5-1 感染症領域での活用
■感染症領域の臨床推論
Case1 発熱と体動困難になった原因は?
Case2 足関節の腫れ・痛みの原因は?
Case3 発熱と上半身の間代性痙攣を誘発した原因は?
Case4 尿路感染症の初期治療で改善しない発熱・倦怠感の原因は?
5-2 がん・緩和領域での活用
■がん・緩和領域の臨床推論
Case1 倦怠感の原因は?
Case2 倦怠感,ふらつきの原因は?
Case3 意識障害の原因は?
5-3 救急・集中治療領域での活用
■救急・集中治療領域の臨床推論
Case1 意識障害の原因は?
Case2 循環不全(ショック)の原因は?
Case3 タゾバクタム・ピペラシリン投与中に解熱しない原因は?
Case4 入院後急激な低リン血症が起きた原因は?
5-4 循環器領域での活用
■循環器領域の臨床推論
Case1 心電図変化(T波平低化)を伴う低カリウム血症の原因は?
Case2 徐脈,血圧低下に伴う易疲労感・労作時の呼吸困難の原因は?
Case3 脱水,電解質異常加療中に突如起こった意識消失の原因は?
5-5 副作用を考えるときの活用
■副作用の臨床推論
Case1 皮疹の原因は?
Case2 徘徊や見当識障害などの精神神経症状の原因は?
Case3 継続する下痢の原因は?
Case4 甲状腺機能障害の原因は?
5-6 ポリファーマシーを考えるときの活用
■ポリファーマシー対策の臨床推論
Case1 腰痛の原因は?
Case2 咳の原因は?
Case3 不眠の原因は?
5-7 処方提案での活用
■処方提案における臨床推論
Case1 乳がん化学療法中の便秘への処方提案
Case2 卵巣がん化学療法中の末梢神経障害への処方提案
Case3 膵がん化学療法中の心窩部痛への処方提案
Case4 ワルファリンカリウム内服中の直腸がん化学療法によるPT-INR延長への処方提案
Case5 抗がん薬投与中の血管痛への処方提案
Case6 白金製剤投与中のアナフィラキシー発症時に対する処方提案
索 引