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仙腸関節機能障害
AKA-博田法による診断と治療
筆頭著者 片田 重彦 (編著)
かただ整形外科
その他の著者等 木檜晃/大佐古謙二郎
南江堂
電子版ISBN 978-4-524-28577-8
電子版発売日 2016年6月6日
ページ数 200
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-524-26783-5
印刷版発行年月 2014年6月
書籍・雑誌概要
関節運動学と関節神経学の理論に基づいた徒手療法である“関節運動学的アプローチ(AKA)‐博田法”について,非特異的腰痛の主な要因のひとつである仙腸関節機能障害の治療法に焦点を当てまとめた実際書.治療法のみならず,仙腸関節機能障害を理解する上で必要な理論と基礎知識,診断法,エビデンス,実症例について150枚超の写真を用いてわかりやすくまとめた.
目次
【内容目次】
第1章 AKA-博田法の理論と仙腸関節機能障害
1)関節機能障害による痛み
2)仙腸関節機能障害
3)AKA-博田法の定義
4)関節運動学と骨運動学
5)仙腸関節の骨運動
6)Wykeの関節神経学と臨床
7)関節の副運動と臨床
8)仙腸関節の副運動とその障害
9)関節機能異常と副運動
10)関節機能異常と痛みの発生
11)仙腸関節機能障害の症状
12)仙腸関節機能障害の成因
13)関節軟部組織過緊張連鎖
14)膝関節可動域の体位による違い
15)関節軟部組織過緊張連鎖の原因
16)関節機能異常と炎症
17)炎症にのみ反応する侵害受容器
18)関節痛の伝達経路
19)関連痛の成立
第2章 仙腸関節機能障害の診断
1)体幹の関節機能異常を利用した診断
2)股関節の二次性関節機能異常を利用した診断
3)SLRによる副運動1型の評価
4)Fadirf,Fabere
5)疼痛を生じている関節の評価
6)仙腸関節機能障害の分類
第3章 仙腸関節機能障害の治療35
I 治療総論
1)伝統的運動療法に対する考え方
2)AKA-博田法を行うときの手技上の留意点
3)画像診断をどう捉えるか
4)手技の順序
5)AKA-博田法の治療回数と治療間隔
6)手技の選択
7)禁止要件
8)治癒の判定
II 治療技術
A.仙腸関節の副運動技術
1)仙腸関節への2つの技術
2)離開法
3)滑り法
4)操作のイメージ
5)操作と軟部組織の緊張
6)副運動を利用した技術を行う際の強さ
7)用いるベッド
8)患者の姿勢
9)術者の立ち位置
1 上部離開法
a.腸骨上半部を尾側へ向かって離開していく方法
b.環指のみで動かす場合(やや背側寄りの上部を離開する方法)
c.母指のみで動かす場合(やや腹側寄りの上部を離開する方法)
2 下部離開法
a.腸骨下半部を頭側へ向かって離開していく方法
b.環指のみで動かす場合(やや背側寄りの下部を離開する方法)
c.母指のみで動かす場合(やや腹側寄りの下部を離開する方法)
3 滑り法:上方滑り法と下方滑り法
a.右仙腸関節への滑り法
b.左仙腸関節への滑り法
4 副運動技術のポイント
a.離開法のポイント
b.滑り法のポイント
c.副運動技術の共通基本事項
B.付加的技術
1 椎間関節(C7/T1椎間関節の場合)
2 肋椎関節
a.第7肋椎関節
b.第3肋椎関節
c.第1肋椎関節
3 胸鎖関節
4 胸肋関節
5 肩関節
a.下方滑り法
b.前後滑り法
1.上腕骨頭への前方滑り法
2.上腕骨頭への後方滑り法
6 橈舟関節
a.舟状骨を橈骨に対して尺側方向へ滑らせる方法
b.舟状骨を橈骨に対して背側方向へ滑らせる方法
7 橈月関節
a.右母指で月状骨を掌側方向へ押し下げる場合
b.右中指で月状骨を背側方向へ引き上げる場合
8 距舟関節
a.舟状骨を内側前方へ滑らせる方法
b.舟状骨を外側前方へ滑らせる方法
9 距舟関節:別法
a.舟状骨を足底側へ滑らせる方法
b.舟状骨を足背側へ滑らせる方法
10 距骨下関節
a.踵骨外側面を左母指で押す場合
b.踵骨内側面を左中指で引く場合
第4章 AKA-博田法のエビデンス
1)ランダム化比較試験(RCT)とEBM
2)慢性疼痛(特に慢性腰痛)に対するAKA-博田法のRCT
3)急性腰痛に対するAKA-博田法のRCT
4)AKA-博田法の健康関連QOLに対する効果
第5章 仙腸関節機能障害の臨床症例
A 腰痛
1 総論
1)腰部の痛み,随伴する下肢痛,しびれ
2)椎間板ヘルニアとの鑑別
3)下肢のしびれ
4)間欠跛行
5)“ぎっくり腰”(急性腰痛)
6)仙腸関節炎
7)慢性腰痛
8)副運動の改善指標(SLR)
9)AKA-博田法による腰痛の治療
2 症例
症例A-1 大きな誘因のない急性腰痛と下腿痛
症例A-2 大きな誘因のある急性腰痛
症例A-3 下肢のしびれを伴う急性腰痛
症例A-4 側弯と辷りを伴う急性腰痛
症例A-5 猛激痛を伴う急性腰痛
症例A-6 硬膜外注射が無効だった慢性腰痛
症例A-7 尖足をきたした慢性腰痛
症例A-8 運動療法で再発した慢性腰痛
症例A-9 超高齢者の急性腰痛
症例A-10 MRIで異常のない下肢痛
症例A-11 MRIで“腰椎椎間板ヘルニア”とされた下肢痛
症例A-12 下肢のしびれが主体の間欠跛行
症例A-13 下肢に激痛を生じる間欠跛行
症例A-14 PG(プロスタグランジン)製剤の効かない間欠跛行
症例A-15 足部の筋力低下のある間欠跛行
症例A-16 辷りと狭窄を伴う慢性腰痛
症例A-17 殿部灼熱感を伴う間欠跛行
症例A-18 手術で悪化,インプラント抜去後AKA-博田法で軽快した慢性腰痛
症例A-19 手術後再燃した腰痛
症例A-20 “精神的異常”と言われた仙腸関節痛
症例A-21 椎体圧迫骨折後の頑固な腰痛
B.股関節の痛み
1 総論
1)なぜ股関節の痛みが仙腸関節のAKA-博田法で治療可能か
2)AKA-博田法は股関節痛,特に変形性股関節症には最良の保存的治療法である
3)両側例の変形性股関節症はAKA-博田法でも再発する
4)股関節症の副運動をどう診察するか
5)AKA-博田法による治療法
2 症例
症例B-1 臼蓋形成不全の痛み
症例B-2 関節裂隙の狭小化した股関節痛
症例B-3 進行期股関節症における股関節痛
症例B-4 末期股関節症における股関節痛
症例B-5 股関節唇損傷による股関節痛が疑われた
症例B-6 THA術後も疼痛が改善しない症例
症例B-7 Chiari骨盤骨切り術,RAO術後の痛み
C.膝関節の痛み
1 総論
2 症例
症例C-1 しゃがむとき(蹲踞時)の膝の痛み
症例C-2 膝関節前部の痛み
症例C-3 正座での痛み
症例C-4 高度の膝関節変形に伴う痛み
D.肩部の痛み
1 総論
2 症例
症例D-1 いわゆる五十肩
症例D-2 石灰沈着のある肩の痛み
E.頸部の痛み
1 総論
2 症例
症例E-1 McKenzie 法で出現した上肢のしびれ
症例E-2 “頸椎椎間板ヘルニア”と診断された頸部と上肢の痛み
症例E-3 頸椎捻挫での上肢のしびれ
F.スポーツによる痛み172
1 総論
1)スポーツでどの部位に疼痛を起こすか
2)発症年齢は多岐にわたるが青少年に多い
2 症例
a.スポーツによる腰痛
症例F-1 中学生のスポーツ腰痛
症例F-2 体幹を伸展すると痛むスポーツ腰痛
症例F-3 急性腰痛から脊柱管狭窄症になったと言われたスポーツ腰痛
b.スポーツによる股関節痛
症例F-4 マラソンで生じた股関節痛
c.スポーツによる膝関節痛
症例F-5 膝蓋靱帯部のスポーツ痛
症例F-6 膝伸展時のスポーツ膝痛
d.スポーツによる足部痛
症例F-7 有痛性外脛骨
症例F-8 マラソンによるアキレス腱痛
e.スポーツによる肩部痛
症例F-9 卓球による肩部痛
f.スポーツによる下肢筋肉痛
症例F-10 1ヵ月間続く下腿後面の筋肉痛
第6章 AKA-博田法の習得に必要なこと
1)副運動への理解
2)AKA-博田法を学ぶと“科学”がどういうものかを理解できる
3)技術指導の受け方と技術習得への近道
4)日本AKA医学会の紹介
索引