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やさしく解説 甲状腺疾患の診断と治療 改訂第2版
甲状腺を専門としない医師のために
筆頭著者 窪田 純久 (著)
南江堂
電子版ISBN 978-4-524-21517-1
電子版発売日 2025年1月27日
ページ数 192
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-524-21516-4
印刷版発行年月 2025年1月
書籍・雑誌概要
甲状腺疾患を専門としない医師向けに診断と治療の初歩から実際までをやさしく“伝授”した好評書がアップデート.自信をもって診療に臨めるように,各疾患の基礎知識をコンパクトに整理し,診断・治療のノウハウ,他科との連携までを平易に解説した.診断の流れがひと目でわかるフローチャートも掲載.最新のガイドラインの内容や薬剤の情報を更新し,ますます便利に!
目次
【内容目次】
序章 甲状腺疾患をシンプルに考えてみよう
ポイントは“3つの指標”
第1部 もしかして,甲状腺疾患?―“疑う”ことから始まる検査・診断―
第1章 甲状腺疾患を疑う手がかり
甲状腺疾患を見つけることの重要性
A 問診―自覚症状をきいてみよう―
1 甲状腺機能亢進症(甲状腺中毒症)
2 甲状腺機能低下症
B 視診―眼症状はあるか?―
C 触診―腫大,結節,痛みはあるか?―
1 触診でわかること
2 ちゃんと触診できていますか?
3 触診の見逃し
D 生化学検査にヒントあり!
1 総コレステロール値
2 ALP
3 AST,ALT,γ-GTP
4 CPK
第2章 甲状腺検査値は,こう読む!
検査値の読み方を間違わないために理解すべきポイント
A 甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモン(TSH)
1 Total T4とFree T4(FT4),Total T3とFree T3(FT3)
2 TSHはとても敏感,しかし変化はゆっくり
3 FT4,FT3低値,TSH正常または低値の場合
4 FT4,FT3正常または高値,TSH高値の場合,およびFT4,FT3高値,TSH正常の場合
5 FT4正常,FT3低値,TSH正常の場合―低T3症候群―
6 FT4,FT3正常,TSH軽度高値の場合―潜在性甲状腺機能低下症―
7 FT4,FT3正常,TSH 0.61μU/mL未満の場合―潜在性甲状腺中毒症―
B 抗TSH受容体抗体(TRAb),甲状腺刺激抗体(TSAb)
1 TRAb,TSAbのどちらを測定すべき?
C 抗サイログロブリン抗体(TgAb),抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)
D サイログロブリン(Tg)
E カルシトニン
F 画像検査
1 超音波検査
2 頸部軟線撮影
第2部 あなたの患者さんはどのパターン?―フローチャートで診断しよう!
フローチャートで診断しよう
A 甲状腺機能異常が少し疑われるとき
B 甲状腺中毒症の鑑別
C 甲状腺機能低下症の鑑別
D 甲状腺に痛みがあるとき
E 甲状腺に結節を触知するとき
第3部 整理しておこう!―各疾患の基礎知識―
各疾患の基礎知識
第1章 甲状腺中毒症を生じる疾患
A バセドウ病
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
B 無痛性甲状腺炎
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
C 機能性結節(プランマー病)
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 どう治療するか
第2章 甲状腺機能低下症を生じる疾患
A 橋本病(慢性甲状腺炎)
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
B Polycystic Thyroid Disease(多嚢胞性甲状腺疾患)
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
第3章 甲状腺に痛みが生じる疾患
A 亜急性甲状腺炎
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
B 橋本病急性増悪
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
C 急性化膿性甲状腺炎
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
D 甲状腺嚢胞内出血
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
第4章 甲状腺に結節を生じる疾患
甲状腺の結節に関して一般内科医が知っておくべきこと
1 穿刺吸引細胞診の適応
2 甲状腺乳頭癌で微小癌の場合は必ずしも手術が必要でない
3 甲状腺濾胞癌は穿刺吸引細胞診では診断できない
4 甲状腺癌の術後の経過観察方法
5 信頼できる甲状腺外科医の存在
A 腺腫様結節(腺腫様甲状腺腫)
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
B 甲状腺嚢胞
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
C 甲状腺乳頭癌
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
D 甲状腺濾胞癌
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
E 甲状腺髄様癌
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
F 甲状腺未分化癌
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
G 悪性リンパ腫
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
H 甲状腺癌に対する(抗癌薬)薬物療法
1 マルチキナーゼ阻害薬
2 遺伝子変異に基づいた分子標的治療薬
3 免疫チェックポイント阻害薬
第4部 いざ,実践!―バセドウ病,無痛性甲状腺炎,橋本病の治療―
第1章 バセドウ病の治療
A 抗甲状腺薬を投与する前に
B 抗甲状腺薬でソフトランディングを目指す
1 どの抗甲状腺薬を選択するか
2 抗甲状腺薬の適切な初期投与量とは
3 抗甲状腺薬は,どう減らすか
4 実例でみる―抗甲状腺薬の減らし方―
Case 1甲状腺腫大が中等度で,TRAbもあまり高値ではない症例
Case 2甲状腺ホルモン値の下がりはよいが,すぐには減らせなかった症例
Case 3勢いの弱いバセドウ病
Case 4TRAbが下がらない症例
Case 5甲状腺は小さいが,TRAbが高値の症例
Case 6一時的に甲状腺機能低下症をつくってしまった症例
Case 7MMIをなかなか減らせないばかりか,途中で4錠まで増量した症例
Case 8甲状腺中毒症が高度で,自覚症状が強い症例
Case 9甲状腺が大きく,甲状腺中毒症も高度だが,TRAbはあまり高くない症例
5 ヨウ化カリウムをうまく併用しよう
6 block and replacement therapyで甲状腺機能を安定させる
7 MMIの飲み忘れをどう防ぐか
8 副作用対策
9 MMI関連の先天異常を防ぐには
10 胎児バセドウ病をどう治療するか
11 抗甲状腺薬やβブロッカーは授乳に影響を及ぼすのか
12 薬の副作用以外の有害事象対策
C 放射性ヨード内用療法で安全に治療する
D 手術療法が必要な場合とは
E 放射性ヨード内用療法と手術療法のあとに起こりうる甲状腺機能低下症
F バセドウ病眼症の悪化をどう防ぐ?どう治す?
第2章 無痛性甲状腺炎の治療
A T3製剤(チロナミンR)をうまく使おう
B 実例でみる―無痛性甲状腺炎の経過―
Case 1 T3製剤(チロナミンR)を使用した症例(パターン①)
Case 2 T4製剤(チラーヂンR S)を使用した症例(パターン①)
Case 3 持続性の甲状腺中毒症と間違う可能性があった症例(パターン②)
Case 4 T3製剤(チロナミンR)を1年間服用してもFT4が回復しなかった症例(パターン③)
Case 5 無痛性甲状腺炎でも甲状腺ホルモンがかなり高値になり,診断を迷わせた症例(パターン③)
第3章 橋本病の治療
A 甲状腺ホルモン剤を投与する前に
B 甲状腺ホルモン剤はどう投与するか
1 甲状腺ホルモン剤の飲み忘れをどう防ぐか
2 チラーヂンR Sの剤形
C 甲状腺機能低下症は自然回復することがある
D 橋本病で急に甲状腺が大きくなってくるとき
E 手術療法が必要な場合とは
1 整容的に問題があるとき
2 甲状腺悪性リンパ腫が発生したとき
3 急性増悪をステロイド剤でうまくコントロールできないとき
4 気管が狭窄しているとき
F ヨード制限食はどの程度必要なのか
1 ヨード摂取過剰を中止するだけのヨード制限食
2 長く続けられることが可能な軽度のヨード制限食
G 橋本病と妊娠
第5部 専門医が診るべき甲状腺疾患とは?
第1章 甲状腺専門医にまかせたほうがよい病態
A ネガティブフィードバックに合致しない検査値異常
B 難治例,副作用出現例
C 妊娠時のケア
D バセドウ病眼症
第2章 緊急性のある病態
A 甲状腺クリーゼ,粘液水腫性昏睡
B 気道閉塞により窒息の恐れがある状態
C 抗甲状腺薬による無顆粒球症
D バセドウ病周期性四肢麻痺
E 心不全
第3章 他科の専門医との連携
A 甲状腺外科,頭頸部外科(耳鼻科)
B 眼科
1 バセドウ病眼症の評価
2 バセドウ病眼症の治療
C 放射線科
1 シンチグラフィーによる確定診断
2 放射性ヨード内用療法
D 皮膚科
1 前脛骨部粘液水腫が生じたとき
2 脱毛が生じたとき
E 循環器内科
F 精神科
1 双極性障害の患者さん
2 認知症の患者さん
3 パニック障害の患者さん
G 産婦人科
1 MMIの催奇形性
2 橋本病の患者さんが妊娠したとき
3 胎児バセドウ病をどう防ぐか
H 小児科
1 新生児バセドウ病への対応
2 成人医療へのトランジション
第4章 甲状腺機能異常を生じる薬剤
A 甲状腺中毒症と甲状腺機能低下症
B 甲状腺中毒症を起こす薬剤
1 インターフェロン(IFN)
2 IL-2製剤
3 免疫チェックポイント阻害薬
4 ゴナドトロピン放出ホルモン誘導体(GnRH)
5 アミオダロン
C 甲状腺機能低下症を起こす薬剤
1 甲状腺ホルモンの合成・分泌を抑制する薬剤
2 TSHの合成・分泌を抑制する薬剤
3 甲状腺ホルモンの代謝を促進する薬剤
4 甲状腺ホルモン結合蛋白(TBG)を増加させる薬剤
5 甲状腺ホルモンの吸収を阻害する薬剤(甲状腺ホルモン(LT4)を内服している患者において)
文献
索引
MEMO
甲状腺機能亢進症と甲状腺中毒症
TSHハーモナイゼーションについて
TRAbの第一世代,第二世代,第三世代とは?
バセドウ病でも甲状腺機能低下を生じます―ブロッキング抗体陽性のバセドウ病―
甲状腺専門クリニックでの検査
MMI減量法の実際
甲状腺の大きさ―推定重量と横径―
LT4を一度に大量に内服したらどうなるか?
ADVICE
甲状腺の大きさ―患者さんへの説明―
血中サイログロブリン(Tg)が増加するとき
亜急性甲状腺炎に対するプレドニゾロン(PSL)の投与法
サイログロブリン(Tg)のダブリングタイム
抗甲状腺薬中止後の一過性甲状腺中毒症
意外と怖いバセドウ病―突然死があります―
LT4の週1回7日分内服法