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やさしく解説 甲状腺疾患の診断と治療
甲状腺を専門としない医師のために
筆頭著者 窪田 純久 (著)
くぼたクリニック院長
南江堂
電子版ISBN 978-4-524-25144-5
電子版発売日 2017年4月10日
ページ数 178
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-524-25994-6
印刷版発行年月 2016年9月
書籍・雑誌概要
長年甲状腺診療に携わってきた著者が、非専門医向けに診断と治療の初歩から実際までをやさしく“伝授”。自信をもって診療に臨めるように、各疾患の基礎知識をコンパクトに整理し、診断・治療のノウハウ、他科との連携までを平易に解説した。「MEMO」や「ADVICE」などのコラムで診療のコツや豆知識も身につく。診断の流れがひと目でわかるフォローチャートを掲載。
目次
【内容目次】
序章 甲状腺疾患をシンプルに考えてみよう
ポイントは“3つの指標”
第1部 もしかして,甲状腺疾患?-“疑う”ことから始まる検査・診断-
第1章 甲状腺疾患を疑う手がかり
甲状腺疾患を見つけることの重要性
A 問診-自覚症状をきいてみよう-
1 甲状腺機能亢進症(甲状腺中毒症)
2 甲状腺機能低下症
B 視診-眼症状はあるか?-
C 触診-腫大,結節,痛みはあるか?-
1 触診でわかること
2 ちゃんと触診できていますか?
3 触診の見逃し
D 生化学検査にヒントあり!
1 総コレステロール値
2 ALP
3 AST,ALT,γ-GTP
4 CPK
第2章 甲状腺検査値は,こう読む!
検査値の読み方を間違わないために理解すべきポイント
A 甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモン(TSH)
1 TotalT4とFreeT4(FT4),TotalT3とFreeT3(FT3)
2 TSHはとても敏感,しかし変化はゆっくり
3 FT4,FT3低値,TSH正常または低値の場合
4 FT4,FT3正常または高値,TSH高値の場合,およびFT4,FT3高値,TSH正常の場合
5 FT4正常,FT3低値,TSH正常の場合-低T3症候群-
6 FT4,FT3正常,TSH軽度高値の場合-潜在性甲状腺機能低下症-
7 FT4,FT3正常,TSH 0.3μU/mL未満の場合-潜在性甲状腺中毒症-
B 抗TSH受容体抗体(TRAb),甲状腺刺激抗体(TSAb)
1 TRAb,TSAbのどちらを測定すべき?
C 抗サイログロブリン抗体(TgAb),抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)
D サイログロブリン(Tg)
E カルシトニン
F 画像検査
1 超音波検査
2 頸部軟線撮影
第2部 あなたの患者さんはどのパターン?-フローチャートで診断しよう!-
フローチャートで診断しよう
A 甲状腺機能異常が少し疑われるとき
B 甲状腺中毒症の鑑別
C 甲状腺機能低下症の鑑別
D 甲状腺に痛みがあるとき
E 甲状腺に結節を触知するとき
第3部 整理しておこう!-各疾患の基礎知識-
各疾患の基礎知識
第1章 甲状腺中毒症を生じる疾患
A バセドウ病
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
B 無痛性甲状腺炎
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
C 機能性結節(プランマー病)
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 どう治療するか
第2章 甲状腺機能低下症を生じる疾患
A 橋本病(慢性甲状腺炎)
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
B Polycystic Thyroid Disease(多.胞性甲状腺疾患)
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
第3章 甲状腺に痛みが生じる疾患
A 亜急性甲状腺炎
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
B 橋本病急性増悪
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
C 急性化膿性甲状腺炎
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
D 甲状腺.胞内出血
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
第4章 甲状腺に結節を生じる疾患
甲状腺の結節に関して一般内科医が知っておくべきこと
1 穿刺吸引細胞診の適応
2 甲状腺乳頭癌で微小癌の場合は必ずしも手術が必要でない
3 濾胞癌は穿刺吸引細胞診では診断できない
4 甲状腺癌の術後の経過観察方法
5 信頼できる甲状腺外科医の存在
A 腺腫様結節(腺腫様甲状腺腫)
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
B 甲状腺嚢胞
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
C 甲状腺乳頭癌
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
D 甲状腺濾胞癌
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
E 甲状腺髄様癌
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
F 甲状腺未分化癌
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
G 悪性リンパ腫
1 おさえておきたい病態
2 見逃すべからず!この症状と所見
3 どう診断するか
4 鑑別診断のポイント
5 どう治療するか
第4部 いざ,実践!-バセドウ病,無痛性甲状腺炎,橋本病の治療-
第1章 バセドウ病の治療
A 抗甲状腺薬を投与する前に
B 抗甲状腺薬でソフトランディングを目指す
1 どの抗甲状腺薬を選択するか
2 抗甲状腺薬の適切な初期投与量とは
3 抗甲状腺薬は,どう減らすか
4 実例でみる-抗甲状腺薬の減らし方-
Case1 甲状腺腫大が中等度で,TRAbもあまり高値ではない症例
Case2 甲状腺ホルモン値の下がりは良いが,すぐには減らせなかった症例
Case3 勢いの弱いバセドウ病
Case4 TRAbが下がらない症例
Case5 甲状腺は小さいが,TRAbが高値の症例
Case6 一時的に甲状腺機能低下症をつくってしまった症例
Case7 MMIをなかなか減らせないばかりか,途中で4錠まで増量した症例
Case8 甲状腺中毒症が高度で,自覚症状が強い症例
Case9 甲状腺が大きく,甲状腺中毒症も高度だが,TRAbはあまり高くない症例
5 ヨウ化カリウムをうまく併用しよう
6 block and replacement therapyで甲状腺機能を安定させる
7 MMIの飲み忘れをどう防ぐか
8 副作用対策
9 MMI関連の先天異常を防ぐには
10 胎児バセドウ病をどう治療するか
11 抗甲状腺薬やβブロッカーは授乳に影響を及ぼすのか
12 薬の副作用以外の有害事象対策
C 放射性ヨード内用療法で安全に治療する
D 手術療法が必要な場合とは
E 放射性ヨード内用療法と手術療法の後に起こり得る甲状腺機能低下症
F バセドウ病眼症の悪化をどう防ぐ?どう治す?
第2章 無痛性甲状腺炎の治療
A T3製剤(チロナミン)をうまく使おう
B 実例でみる-無痛性甲状腺炎の経過-
Case1 T3製剤(チロナミン)を使用した症例(パターン(1))
Case2 T4製剤(チラーヂンS)を使用した症例(パターン(1))
Case3 持続性の甲状腺中毒症と間違う可能性があった症例(パターン(2))
Case4 T3製剤(チロナミン)を1年間服用してもFT4が回復しなかった症例(パターン(3))
Case5 無痛性甲状腺炎でも甲状腺ホルモンがかなり高値になり,診断を迷わせた症例(パターン(3))
第3章 橋本病の治療
A 甲状腺ホルモン剤を投与する前に
B 甲状腺ホルモン剤はどう投与するか
1 甲状腺ホルモン剤の飲み忘れをどう防ぐか
2 チラーヂンSの剤形
C 甲状腺機能低下症は自然回復することがある
D 橋本病で急に甲状腺が大きくなってくるとき
E 手術療法が必要な場合とは
1 整容的に問題があるとき
2 甲状腺悪性リンパ腫が発生したとき
3 急性増悪をステロイド剤でうまくコントロールできないとき
4 気管が狭窄しているとき
F ヨード制限食はどの程度必要なのか
1 ヨード摂取過剰を中止するだけのヨード制限食
2 長く続けられることが可能な軽度のヨード制限食
G 橋本病と妊娠
第5部 専門医が診るべき甲状腺疾患とは?
第1章 甲状腺専門医にまかせたほうがよい病態
A ネガティブフィードバックに合致しない検査値異常
B 難治例,副作用出現例
C 妊娠時のケア
D バセドウ病眼症
第2章 緊急性のある病態
A 甲状腺クリーゼ,粘液水腫性昏睡
B 気道閉塞により窒息の恐れがある状態
C 抗甲状腺薬による無顆粒球症
D バセドウ病周期性四肢麻痺
E 心不全
第3章 他科の専門医との連携
A 甲状腺外科,頭頸部外科(耳鼻科)
B 眼科
1 バセドウ病眼症の評価
2 バセドウ病眼症の治療
C 放射線科
1 シンチグラフィーによる確定診断
2 放射性ヨード内用療法
D 皮膚科
1 前脛骨部粘液水腫が生じたとき
2 脱毛が生じたとき
E 循環器内科
F 精神科
1 双極性障害の患者さん
2 認知症の患者さん
3 パニック障害の患者さん
G 産婦人科
1 MMIの催奇形性
2 橋本病の患者さんが妊娠したとき
3 胎児バセドウ病をどう防ぐか
H 小児科
1 新生児バセドウ病への対応
2 成人医療へのトランジション
文献
索引