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いのちに驚く対話
死に直面する人と、私たちは何を語り合えるのか
筆頭著者 岡田 圭 (著)
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-65745-7
電子版発売日 2024年10月7日
ページ数 240
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-260-05745-5
印刷版発行年月 2024年9月
書籍・雑誌概要
多文化都市ニューヨークでホスピス緩和ケアに従事した日本人による「対話」の指南書
ニューヨーク訪問看護サービス(Visiting Nurse Service of New York)でホスピス緩和ケアに従事し、スピリチュアルケア・プログラム・マネージャーも務めた日本人による指南書。多文化都市ニューヨークで、多くの「死に向き合う人」とどのように出会い、いかに語り合ってきたのか。目の前に広がる患者さんと著者との物語と、言語や文化を超えた「対話」の現場感覚が味わえる1冊。
目次
はじめに
第1部 対話のお膳立て
第1章 「人が居ること」を心に留める
人が「居る」ことの力 / 「受け取りましたよ」と相手に返す /
習慣的な頑張り / 覚醒──萎んでゆく身体と広がる意識 /
見送られるのは私たち / 「一人」に込められた多くの人たち /
「自然に現れる美のあるがまま」を愛でる
第2章 「人と人との間で起きていること」に気づく
「権威」の力関係 / どう伝えるか / 癒しと毒 /
傷ついた癒し人 / 毒を癒しに変える知恵 / 意図的な在り方 /
重心が逸れる時 / 触発される痛みを知る / 鏡に映る自分
第3章 「医療の人間性」を再考する
変わる身体と生きてゆく術 / 世界で機運が高まる「人のための」医療 /
人を疾患だけで見ない / 人としての本質的な尊厳を力づける /
「個人的な価値」を尊重する / 旅人をもてなす
第4章 「その人にしか語れない痛み」に必要性を聞き取る
QOLについて / シシリー・ソンダース女史からの引き継ぎ /
「スピリチュアル」とは? / 緩和ケアの第五領域──霊的、宗教的、実存的側面 /
霊性の個人的な必要性を見逃さない / 痛みの四つの側面の重なり
第5章 「痛み方と信じ方の舞台裏」を察する
人の見方、考え方が形づくるもの / 信仰と人の心──宗教性と人間性 /
本人の表現から背景を知る / 奇跡と癒しの多様な意味 /
黒人教会で語り継がれてきた表現 / 畏怖の念を抱く時 / 心のクレーター /
人が怒る理由 / 安全のための線引き / 孤立から人を解く世界の苦痛
第6章 「対話する人の健やかさ」を保つ
道徳的疲れ「最善を尽くせていない」 / 誘惑と衝動 / 親しさの文脈 /
自己の最善を引き出す / あなた自身に優しさを
第2部 対話の波乗り
第7章 「身体」の感覚と表現を意識して使う
人に会う前の準備 / 対話空間を感じる / 相手の身体感覚に合わせる /
身体表現を読む / 「問題ない」と言う人の本心
第8章 「言葉」に込められた心の声を聞く
「その心は?」 / 「早く死にたい」と言う人の心変わり /
「早く死ねるよう助けてくれないか」 / 「いつ誰の決断にするのがいい?」 /
「もう選べない」 / 「どうなのですか? 教えてください」 /
「歩けるようになるといいのだけれど」 / 「何が起きているの?」 /
豊穣な沈黙──「間」を支える /
「あとどのくらい?」──それは何を問われているのか
第9章 「時間」の全域を今に活かす
「余命」が意味する時間の感覚 / 夜寝て、朝起きて、もう一日を迎えること /
駅で待たなくてもいいのだとしたら? / 嵐を凌いだ歌 / 最終楽章の残響 /
軟着陸の準備をするパイロット / 「思い出す」のか現れるのか /
サーファーの良い波探し / 時を超える貴重な時
第10章 生死の多彩な「印象」に思いを馳せる
「死」に抱く印象 / 絵で対話する子供たち / 縁側問答 /
自由になる決意をした人 / 再結晶する希望 / どんでん返し /
目による視力からの卒業 / 陣痛に変える比喩の力 / 向かい風 /
独楽(こま)の一生 / 命の川に浮かぶ舟 / 初めて見た海 /
死にゆく先を望み見た人
第11章 故人の心は「物語」に紡がれる
貴重な瞬間を家族に返す / 最期の神聖な別れの場で /
死を前にして起きる必然的偶然 / ちょっと席を外した時に亡くなる人 /
「死んでしまった人」との対話 / 悲しみとの友情を深める
終章 いのちは続いている
一期一会 / 虹色に光る帯の旅立ち / 森になった人
おわりに