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LGBTQ+の健康レポート
誰にとっても心地よい医療を実装するために
筆頭著者 日高 庸晴 (著)
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-65616-0
電子版発売日 2024年9月2日
ページ数 264
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-260-05616-8
印刷版発行年月 2024年8月
書籍・雑誌概要
特別ではなく、1人ひとりを大切にしたあたり前のケアを
国内でもセクシュアリティを取り巻く環境が徐々に変化している。しかし実際は、LGBTQ+当事者への偏見や戸惑いが存在し、世間の表向きの理解と現実のギャップは大きい。それは医療・教育現場も同様だ。そこで本書では、著者が長年にわたり行ってきた大規模調査データや当事者の語りをもとに、医療を必要としている当事者が戸惑うことなく受診できるための実装方法を解説した。調査データの一部を巻末資料として収載。
目次
本書に関連する用語一覧
LGBTQ+当事者を対象にした調査の概要
第1部 当事者が置かれた現状と困難
第1章 当事者を取り巻く現状
蓄積した調査データが語ること
医学界における性的指向とジェンダーアイデンティティの取り扱いの変遷
26年にわたる調査研究の実施継続での経験
〔当事者の声①〕わたしたちも受診しています。
〔当事者の声②〕「私の家族」と「病院の考える家族」
〔当事者の声③〕誰もが安心して自分を表現できる世の中に
第2章 国内外の人権課題
憎悪犯罪(ヘイトクライム)
LGBTQ+を取り巻く国内の主な動き
文部科学省通知における児童生徒への対応
同性婚を取り巻く世界の動き
世論調査が示す「同性婚」賛成割合
LGBTQ+全国調査が示す同性婚のニーズ
司法の動き
第3章 カミングアウトとメンタルヘルス
カミングアウトとは
自覚する平均年齢は13歳という再現性あるデータ
若い世代が最も「誰かに相談したかった」
カミングアウトまでの年数
親へのカミングアウトと地域差の実際
職場でのカミングアウト率
LGBTQ+のメンタルヘルス
異性愛者を装うことによる役割葛藤とメンタルヘルスの安寧の阻害
LGBTQ+のメンタルヘルスの不調
自殺未遂リスクの推定
さまざまなメンタルヘルスの安寧の阻害要因
第4章 性暴力・DV被害と援助希求行動の難しさ
LGBTQ+当事者の性暴力被害の現状
110年ぶりの刑法改正
LGBTQ+当事者における被害の現状
相談と支援体制の現状
援助希求行動の難しさ
第2部 医療と教育現場での実装
第5章 LGBTQ+当事者にとっての医療機関と受診控えの現状
個々の患者には多様な背景がある
メンタルヘルス専門外来の受診歴
メンタル系治療薬の服用歴
医療従事者へのカミングアウト
他院の受診を勧める際には
医療者への恐れを抱えたままの受診
医療機関の受診控え
第6章 専門職として医療従事者に求められること
医療従事者に求められること
病院の職員を対象にした意識調査から分かる対応の遅れ
患者情報の共有のあり方
安心して受診できるようにするために
診療の同意をとるべき家族の範囲の変化
病院の対応が定まらないことによる弊害
医療従事者に求められる高い倫理観と公正さ
早急に取り組むべき理由──経営リスク等の観点から
第7章 学齢期におけるいじめ被害や自傷行為が人生に与える影響
調査結果が示すいじめ被害・自傷行為・不登校経験率
困ったときに相談できる場所を知らせる
小・中・高等学校・特別支援学校の教員のLGBTQ+意識・対応経験の実態
正しく知ると,子どもとの関わり方が変わる
第8章 LGBTQ+の学生のために教育機関ができること
FD/SD研修の実施
規程やガイドラインなどでできること
講義でできること
実習でできること
学内演習でできること
学生相談室ができること
当事者サークル活動への支援としてできること
事務手続き・事務窓口ができること
就職活動支援でできること
巻末資料
REACH Online 2016(2016年調査)調査データの概要
REACH Online 2019(2019年調査)調査データの概要
REACH Online 2022(2022年調査)調査データの概要
おわりに
索引