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ネウボラから学ぶ児童虐待防止メソッド

ネウボラから学ぶ児童虐待防止メソッド
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筆頭著者 横山 美江 (編)

医学書院

電子版ISBN 978-4-260-65045-8

電子版発売日 2022年12月26日

ページ数 184

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-260-05045-6

印刷版発行年月 2022年10月

DOI https://doi.org/10.11477/9784260650458

書籍・雑誌概要

フィンランドのネウボラから学ぶ、切れ目ない妊産婦・家族への支援と虐待予防

フィンランドでは、妊娠が分かるとまず向かう先は病院ではなく「ネウボラ」である。ネウボラは、産前から産後に至るまで、定期的な個別健診などを通じて妊産婦とその家族を支援する。継続的に家族の健康を管理・支援するため、虐待防止に大きな役割を果たしている。妊産婦・家族への切れ目ない支援が求められる日本の母子保健に示唆を与える一冊。日本において取り入れるべき点や自治体の実践例も紹介。

目次

はじめに

第1章 フィンランドの親子保健・児童虐待防止
 I 児童の権利
    国連の児童の権利に関する条約
    フィンランドにおける児童の権利
    日本における児童の権利
    家庭内暴力および児童虐待

 II フィンランドの親子保健・児童虐待防止の特徴
    親子保健の中核をなすネウボラ
    ネウボラ以外の親子支援とネウボラとの関係

 III フィンランドの親子保健・児童虐待防止の成果
    ネウボラが家族全員への支援を行う背景
    ネウボラにおける保健サービスの特徴
    ネウボラにおける定期健診(総合健診を含む)と家庭訪問の効果
    ネウボラにおける家庭内暴力の予防と早期支援
    ネウボラにおけるサービスのさらなる発展の必要性

 IV フィンランドの親子保健システムを日本で活用するための基本情報
    フィンランドのネウボラと日本版ネウボラの大きな違い
    ハイリスクアプローチのメリットとデメリット
    フィンランドのシステムを日本で活用するための視点

第2章 子どもを持つすべての家族への予防的対応
  I ネウボラにおける児童虐待防止の基本的対応
    ネウボラにおける面談のスキル
    ネウボラにおける子どもへの対応

 II 児童虐待予防を目指した早期支援
    気になる家庭への追加支援
    ネウボラにおける気になる家族への支援
    健診時における追加支援が必要となる利用者
    児童虐待のリスク要因と徴候

 III 子どもと家族を支える対話型子育て支援「レッツトーク・アバウト・チルドレン」
    子どもと家族への効果的な取り組み
    レッツトーク・アバウト・チルドレン(LTC)

 IV エスポー市におけるレッツトーク・アバウト・チルドレンの活用
    レッツトーク・アバウト・チルドレンの概要
    ネットワーク会議
    エスポー市におけるレッツトーク・アバウト・チルドレンの活用
    将来を見据えて

 V フィンランドの学校保健におけるジェンダーに基づく暴力の防止策
    フィンランドにおけるジェンダーに基づく暴力の状況
    子どもと若者に対するジェンダーに基づく暴力を特定する上での課題と可能性
    フィンランドにおける研修プログラム

 VI 配偶者(パートナー)による暴力に関する質問票を用いた聞き取り
    ネウボラにおける専門職の役割
    配偶者(パートナー)による暴力
    面前DVの子どもへの影響

第3章 家庭内暴力・児童虐待が起きている(と思われる)場合の対応
 I 家庭内暴力が特定された場合の具体的対応の実際
    家庭内暴力の特定
    配偶者(パートナー)による暴力のリスクに対するアセスメント
    利用者の安全確保
    医療機関における暴力の被害者の診察
    暴力が特定された被害者への支援と安全計画の立案
    複数の専門職によるサポート
    妊産婦ネウボラにおける児童保護の予備通報
    子どもについて話し合う
    ネウボラにおける担当保健師や担当医の任務

 II フィンランドにおける家庭内暴力とその防止
    フィンランドにおける子どもへの暴力とその防止策
    フィンランドの父親と父親業
    配偶者(パートナー)による暴力を特定・防止するためのモデルと質問票の開発
    家庭内暴力の被害者の状況と政策的取り組み
    家庭内暴力を防ぐためのユヴァスキュラモデル
    結論

 III フィンランドにおける児童保護
    児童保護の基本的考え方
    児童保護の現状
    児童保護を取り巻くサービス
    児童保護のプロセス
    中央フィンランド医療圏などの事例
    家族ワークでの支援と使用ツールの例
    児童保護の体制――子ども家庭サービス改革とシステミック児童保護実践モデル
    予防――参加――相互作用

第4章 日本における児童虐待予防のシステムづくり
 I 児童虐待に係る関係法令と諸制度
    児童虐待の定義
    児童虐待の禁止
    児童相談所等への通告
    家庭訪問と立入調査
    児童虐待が行われている恐れがあるときの対応
    児童相談所における援助方針の決定

 II 多機関・多職種協働と情報共有
    日本の保健師による母子支援活動の協働の実際
    手引き,ガイドラインなど
    保健師が行う家族支援のためのネットワークづくり
    まとめ

 III 児童虐待予防のための重要な視点
    担当保健師の継続支援による信頼関係の構築
    父親を含めた家族全体の支援強化
    自治体において母子保健政策を見直すための必須条件

 IV フィンランドの基盤システムを取り入れた島田市版ネウボラの構築
    島田市の概況
    島田市版ネウボラの背景
    島田市版ネウボラの契機
    島田市版ネウボラの構築
    島田市版ネウボラの開始
    母子保健情報などの行政情報や各種手続きのデジタル化
    災害と担当保健師制
    他機関への周知と連携
    島田市版ネウボラの効果と今後の展望

 V 島田市版ネウボラにおける担当保健師の継続支援システム導入の効果
    担当保健師による継続支援システム導入前の保健師の認識
    担当保健師による継続支援システム導入後の保健師の認識

索引

コラム目次
 ・ネウボラの保健師と助産師
 ・暴力にさらされた子どもへの支援
 ・専門職として支援を続けるために