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臨床で使える

半側空間無視への実践的アプローチ

半側空間無視への実践的アプローチ
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筆頭著者 前田 眞治 (監)

その他の著者 菅原光晴 編集/原麻理子 編集/山本潤 編集

医学書院

電子版ISBN 978-4-260-64681-9

電子版発売日 2022年9月19日

ページ数 384

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-260-04681-7

印刷版発行年月 2022年9月

DOI https://doi.org/10.11477/9784260646819

書籍・雑誌概要

見えているのに見えていない。気づかないから見えていない。

臨床で遭遇する頻度の高い半側空間無視。その障害像は多様で対象者の数だけ介入方法がある。いったいそのメカニズムはどうなっているのか? 自己中心性無視と対象中心性無視があるのはなぜか? 机上検査とADL場面で、症状が異なるのはなぜか? 無視症状以外にアプローチすると効果的なのはなぜか? 本書は、実践的な評価方法を示し、ベッドサイド、リハ室、ADLなど場面別アプローチを紹介。まさに臨床で「使える」1冊である。

目次

第1章 半側空間無視の責任病巣とメカニズム
 1 半側空間無視を生じる疾患と関連する病巣
    1 半側空間無視とは
    2 半側空間無視を生じる疾患
    3 関連する病巣
    4 上縦束第Ⅱ・Ⅲ枝の損傷が症状を重症化させる
    5 損傷部位によって無視症状は異なる
 2 半側空間無視を呈する典型的な脳画像所見
    1 脳梗塞
    2 脳出血
    3 その他
 3 慢性化しやすい半側空間無視の病巣と神経心理学的検査の特徴
    1 慢性化しやすい半側空間無視の病巣
    2 神経心理学的検査からの検討
 4 病巣からみた半側空間無視の3つのタイプ
    1 半側空間無視の3つのタイプ
    2 損傷部位による半側空間無視の特徴
 5 半側空間無視のメカニズム
    1 空間性注意ネットワーク障害説
    2 方向性注意障害説
    3 半球間抑制障害説
    4 背側‒腹側注意ネットワーク障害説
    5 表象障害説
    6 方向性運動低下説
    7 自己中心参照枠障害説
    8 半側空間無視の発現と非空間性要因
    9 今後の展望

第2章 “臨床で本当に使える”半側空間無視の評価
 1 行動観察の6つのポイント──「見る」だけでここまでわかる
    1 視線および眼球運動
    2 頭部の動き
    3 姿勢
    4 麻痺肢への配慮
    5 注意・集中力
    6 動作観察
 2 机上検査とADL評価はなぜ食い違うのか?──能動的注意と受動的注意
    1 能動的注意
    2 受動的注意
    3 能動的注意と受動的注意からみた半側空間無視の病態
    4 机上検査とADL評価でなぜ食い違うのか?
    5 机上検査とADL評価ではどの程度関連するのか?
    6 受動的注意の評価としてのADL評価
    7 半側空間無視のADL評価を行ううえで重要なこと

第3章 半側空間無視へアプローチする際に留意しておきたいこと
 1 セラピストに求められる視点
   A 対象者は半側空間無視をどう感じているのか?
   B どうすれば無視していることに気づけるのか?
    1 気づきの障害
    2 気づきから修正行動へつなげる
    3 気づきの階層性と対応
    4 気づきを促すための様々な方法
   C ポジティブ・フィードバックを心がける
   D 無視側を向かせる仕かけを考える
 2 半側空間無視を悪化させる要因
   A 内的要因
    1 覚醒レベルの低下
    2 不良姿勢
    3 全般性注意障害
    4 情報量
    5 病識の欠如
    6 モチベーションの低下
    7 情緒的ストレス
    8 同名半盲
   B 外的要因
    1 注意散漫となる環境
    2 右側の刺激が多い環境
    3 環境の変化
    4 狭い空間での行動
    5 反応性が求められる環境
    [コラム] 半側空間無視と半盲の鑑別
 3 半側空間無視がもたらす弊害
    1 麻痺側上肢機能の回復が得られにくい
    2 転倒・転落のリスクが高い
    3 入院が長期化しやすく,自宅復帰しにくい
    4 屋外歩行の自立を妨げ,生活空間が縮小化する
    5 介護負担が大きい
 4 半側空間無視の分類① 無視する基準はどこか?
    1 空間参照枠を基準にした半側空間無視の分類
    2 2つのタイプを鑑別するための机上検査
    3 サブタイプのADL障害とその特徴
    4 2つのサブタイプが関連する病巣
    5 2つのサブタイプの変容
    6 サブタイプへのアプローチ
 5 半側空間無視の分類② 無視する空間はどこか?
    1 空間の分類による半側空間無視のサブタイプ
    2 空間の分類によるサブタイプの臨床症状
    3 空間の分類によるサブタイプの評価
    4 空間の分類によるサブタイプの発生頻度とADL
    5 空間の分類によるサブタイプの関連病巣
    6 空間の分類によるサブタイプの乖離
    7 空間の分類によるサブタイプへのアプローチ
 6 半側空間無視における左右空間
    1 半側空間無視の右空間は正常か?
    2 無視した左空間の視覚情報はどこまで処理されているのか?

第4章 “臨床場面別”半側空間無視の実践的アプローチ
 1 覚醒レベルの向上を促すアプローチ
   A 覚醒と半側空間無視
   B 病棟で行うアプローチ
   C リハ室で行うアプローチ
 2 安定した姿勢を促すアプローチ
   A 半側空間無視患者の姿勢異常
   B 姿勢異常に対するアプローチの重要性
 3 リハ室でのアプローチ
  トップダウンアプローチ
    1 視覚走査訓練
    2 体幹回旋
    3 四肢活性化
    4 複合現実
  ボトムアップアプローチ
    1 プリズム順応療法
    2 視運動性刺激
    3 後頸部筋振動刺激
    4 ミラーセラピー
  目標指向的アプローチ
   A 概要
   B 目標指向的アプローチで用いられる行動療法
   C 期待される効果
   D 文献からみるエビデンス
 4 ADL 場面でのアプローチ
    1 食事動作
    2 整容動作
    3 更衣動作(着衣)
    4 トイレ動作
    5 入浴動作
    6 移乗動作
    7 ベッド上での動作
    8 歩行
    9 車椅子駆動
    10 ベッド周囲の環境調整
 5 生活関連動作
   A 概要
   B 生活関連動作で生じる無視症状
   C 生活関連動作におけるアプローチのポイント
   D 生活関連動作に影響を与える半側空間無視以外の高次脳機能障害への対応
   E 生活関連動作に影響を与える片麻痺への対応
    1 調理
    2 掃除
    3 洗濯
    4 公共交通機関の利用
    5 買い物
    6 書字
    7 読字
    8 就労
    9 その他
 6 ポジショニングとシーティング
   A 半側空間無視患者のベッド上・車椅子上での特徴
   B ポジショニングとシーティングの必要性
   C ポジショニング・シーティングの実践
   D まとめ
 7 Pusher現象へのアプローチ
   A Pusher現象とは
   B 発現メカニズム
   C 評価
   D Pusher現象に対するアプローチ
 8 右半球損傷による認知コミュニケーション障害へのアプローチ
   A 右半球損傷の認知コミュニケーション障害の特徴
   B 具体的な認知コミュニケーション障害
   C 具体的なアプローチ(対応)
   D 文献からみるエビデンス
   E 今後の課題
 9 家族指導
   A 家族指導の必要性
   B 家族指導のポイント
   C 具体的な指導の進め方
 10 半側空間無視と自動車運転
   A 高次脳機能障害者の運転免許に関する法規
   B セラピストの役割
   C 半側空間無視が自動車運転に及ぼす影響
   D 半側空間無視を有する対象者の自動車運転能力評価
   E 運転に必要な身体能力の程度
   F 将来の運転支援技術や高度道路交通システム

第5章 実践事例でみるアプローチの効果
 1 視覚走査練習の手段として木琴療法を活用した事例
 2 プリズム順応課題を活用した事例
 3 ミラーセラピーを活用した事例
 4 サイドミラーセラピーを活用した事例
 5 姿勢コントロールを導入した事例
 6 四肢活性化の手段としてCI療法を導入した事例

索引

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