書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。
作業で創るエビデンス
作業療法士のための研究法の学びかた
筆頭著者 友利 幸之介 (他著)
東京工科大准教授・医療保健学部作業療法学科
その他の著者等 京極 真/竹林 崇
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-63662-9
電子版発売日 2019年4月15日
ページ数 336
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-260-03662-7
印刷版発行年月 2019年3月
書籍・雑誌概要
根拠に基づいた作業療法実践(EBOT)を広めるためには、現場で介入する臨床家や、養成校学生に教授する教育者が、まず、研究の使いかたを理解する必要がある。本書は、エビデンスの作りかたと使いかたをテーマに、最新の研究を含め、著者らが実際に行った研究をもとに、なぜこの方法を用いたのかという思考過程と実際的な活用法を紹介する。また、初学者が研究活動を身近に感じてもらえるよう、各研究法の概要を示したマンガを折々に挿入している。
目次
序
第1章 研究法概論
作業療法研究
研究のプロセス
文献検索
研究のアイデアを得る
臨床疑問を研究疑問へ変換する
研究デザイン
研究計画書
研究倫理
学会・論文発表
第2章 統計
統計学はなぜ必要なのか
仮説検定モデルと統計モデリング
母集団とサンプル,そしてパラメータの推定
尺度水準とデータのまとめかた
サンプルサイズ設計
パラメトリック検定とノンパラメトリック検定
相関分析
カットオフ値,リスク比,オッズ比
研究仮説が正しい確率
確率分布
欠損値処理
統計モデルの評価
推定法
一般化線形モデル
一般化線形混合モデル
構造方程式モデル
潜在ランク理論
第3章 EBP(evidence-based practice)
エビデンスとは?
介入研究結果をまとめた診療ガイドライン
EBPのためのコミュニケーション
EBPの5ステップ
EBP事例(脳卒中)
EBP事例(精神障害)
第4章 観察研究
臨床の実態を調べる観察研究
観察研究の基本過程
観察研究の評価
サンプリング法と調査方法
誤差とその対処
相関と因果
記述的研究と生態学的研究
横断研究
ケースコントロール研究
コホート研究
統計的因果探索という新しい方法
第5章 臨床介入研究
介入研究の種類
介入研究のポイント
介入研究における倫理
事例報告からエビデンスを紡ぐ
事例報告・事例研究とは?
事例報告─新しいニューロモデュレーションとCI療法の併用─
ケースシリーズ
シングルシステムデザイン
群内前後比較研究
ランダム化割付けとは
CONSORT声明
偽・非ランダム化比較試験
ランダム化比較試験
傾向スコアによる効果推定
システマティックレビュー
メタ・アナリシス
医療技術の経済的評価(費用対効果評価)研究
第6章 質的研究
クライエントの心境の変化を知りたい
質的研究の評価基準と質
質的研究のサンプリング
インタビューの注意点
観察の注意点
構造構成的質的研究法(SCQRM)
複線径路等至性アプローチ(TEA)
SCAT
コンセンサスメソッド
事例コードマトリックス
修正版グラウンデッドセオリーアプローチ(M-GTA)
KJ法
混合研究法
質的研究は科学なのか
事例報告の質を高めるには
第7章 理論研究
作業療法独自の理論を作りたい
理論研究の事始め
理論研究に必須の知識
原理的思考
論証の技術
歴史分析法
概念分析法
理論統合法
理論修正法
理論継承法
理論研究の質の吟味と理論論文の書きかた
第8章 尺度研究
評価尺度を作りたい
尺度研究の手順
潜在変数と観測変数
尺度項目の作りかた
項目反応理論
妥当性
信頼性
反応性
解釈可能性
頑健性
開発した評価尺度と実践をつなぐ
あとがき
索引
Column
VPN
研究の壁
事例研究における倫理と個人情報
プレゼンのコツ
サンプリングの重大さ
検定力に基づくサンプルサイズの設計の例
統計を勉強するコツ
平均への回帰
統計と人工知能と機械学習と…
統計学が世界を変える
ソフトウェア・初級(HAD,JASP)
ソフトウェア紹介・中級(RとRstudio)
ソフトウェア紹介・上級(Stan)
臨床と研究
介入研究と基礎研究
リアルワールドデータ
レスポンスシフト
臨床上の意味のある最小重要差(MCID)
最小化法
交絡とは
盲検化とは
作業に焦点を当てた実践をテーマに介入研究に取り組む際のポイント
トライアンギュレーション
作業機能障害の種類と評価(CAOD)
尺度研究で使用する統計モデルの一覧