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医療におけるヒューマンエラー 第2版
なぜ間違える どう防ぐ
筆頭著者 河野 龍太郎 (著)
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-61937-0
電子版発売日 2016年6月6日
ページ数 200
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-260-01937-8
印刷版発行年月 2014年3月
書籍・雑誌概要
なぜ医療事故は減らないのか。それは、事故の見方・考え方が間違っているから。本書では、事故の構造、ヒューマンエラー発生のメカニズム、人間に頼らない対策の立て方を、心理学とヒューマンファクター工学をベースに解説。さらに、人間の行動モデルからエラー行動を分析するImSAFERを紹介する。医療事故のリスク低減のために、事故の見方・考え方を変える1冊。
目次
第I部 ヒューマンエラーの考え方 医療事故を捉える
1 医療における問題点
医療システムにおける管理の問題
インシデント収集における問題点
2 ヒューマンエラー研究のきっかけ
航空管制官時代の経験
エラー発生の“後”
3 これまでの考え方とエラー発生のメカニズム
ヒューマンエラーのこれまでの考え方
エラーはなぜ減らないか
ヒューマンエラー発生メカニズム
ヒューマンエラーは「結果」である
4 エラーを誘発しやすい環境
モードというもの
ナチュラルマッピング
類似機器の危険性
表示の危険性
まず,ヒューマンエラーを誘発する環境がある
5 エラーに関係のある人間の特性
生理学的特性
認知的特性
社会心理学的特性
人間特性を考慮したシステム設計
6 ヒューマンファクター工学 エラー防止の強力な味方
ヒューマンファクター工学の背景
ヒューマンファクター工学の説明モデル
人間中心のシステム構築
PmSHELLモデル 医療用ヒューマンファクター工学の説明モデル
事故の構造
7 ヒューマンエラー対策の戦略と戦術
安全は存在しない
エラーの発生防止とエラーの拡大防止
戦術的エラー対策の考え方
STEP I:危険を伴う作業遭遇数の低減
STEP II:各作業におけるエラー確率の低減
STEP III:多重のエラー検出策
STEP IV:被害を最小とするための備え
エラー対策の発想手順と具体例
エラー対策
(1):やめる(なくす)
(2):できないようにする
(3):わかりやすくする
(4):やりやすくする
(5):知覚能力を持たせる
(6):認知・予測させる
(7):安全を優先させる
(8):できる能力を持たせる
(9):自分で気づかせる
(10):検出する
(11):備える
理に適ったエラー防止策
8 安全なシステムとは
安全なシステム構築の条件
医療システムの特徴と問題点
医療システムの安全性向上のために
医療の安全をシステムで考える
第II部 ヒューマンエラー事象分析手法 医療事故を防止する
9 分析手法の基礎
分析の前提となる基礎的な考え方
背後要因の探り方
10 ImSAFER分析手順
ImSAFERの特徴
事例
分析の事前準備
分析手順
手順1:時系列事象関連図の作成
手順2:問題点の抽出
手順3:背後要因の探索(レベル別)
手順4:考えられる改善策の列挙
手順5:実行可能な改善策の決定
手順6:改善策の実施
手順7:実施した改善策の評価
付録1 どうしても時間がないとき → QuickSAFER
付録2 対策を効率よく推定するために → 背後要因探索のパターン化
「おわりに」に代えて
「医療事故は必ず起こる!」
医療のリスクを少しでも低減するために,国民全体で考えましょう
索引