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助産雑誌 Vol.77 No.5

特集 HTLV-1母子感染予防の新方針

助産雑誌 Vol.77 No.5
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医学書院

電子版ISSN 1882-1421

電子版発売日 2023年10月2日

ページ数 104

判型 B5

印刷版ISSN 1347-8168

印刷版発行年月 2023年9月

書籍・雑誌概要

特集 HTLV-1母子感染予防の新方針 助産師は、妊産褥婦と児のケアはもちろんのこと、思春期や更年期の女性からも期待される、女性の一生に寄り添う職業です。加えて、医療技術が進歩した現代では、より高度で専門的な知識が求められています。『助産雑誌』では、そのような臨床現場で欠くことのできない最新の知識と情報を発信しています。助産学生から新人、ベテランまで、幅広い年代の助産師に向けた雑誌です。 (ISSN 1347-8168)隔月刊(偶数月)、年6冊

目次

特集 HTLV-1母子感染予防の新方針

 成人~老年期に,予後不良な疾患である成人T細胞白血病(ATL)やHTLV-1関連脊髄症(HAM)を引き起こす可能性のあるHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)。性行為感染と母子感染が主な感染経路であり,栄養方法の選択や母子感染の不安,自身の将来についてなど,キャリアと診断された母親に大きな葛藤をもたらします。2011年より全妊婦のスクリーニング検査が始まり,その支援体制について研究が続けられてきた結果,近年,栄養方法の選択に関して,新しい研究成果が発表されました。

 2017年以降,「母乳を介した垂直感染を予防するために原則として完全人工栄養を勧める」とされましたが,「コホート研究やメタアナリシスの結果,エビデンスの確実性は高くないものの,90日未満の短期母乳栄養は完全人工栄養と比較して母子感染リスクが高いとは言えない」ということが示されました。その内容は,2022年11月に発表された「HTLV-1母子感染予防対策マニュアル(第2版)」に反映されたと共に,「産婦人科診療ガイドライン2023」にも記載されます。

 同マニュアルにおいては,キャリアと診断された母親への心理的支援や,共有意思決定,栄養方法の支援などにおいて,助産師に大きな期待が寄せられています。そこで本特集では,同マニュアルとその内容を解説した動画教材を元に,HTLV-1キャリアの母親とその子どもを支える支援の最新情報をまとめます。


「HTLV-1母子感染予防対策マニュアル(第2版)」改訂の経緯と概要
宮沢篤生

HTLV-1母子感染対策──医療機関と行政の継続支援体制
根路銘安仁

■HTLV-1キャリアの母親への共有意思決定(SDM)支援
①SDMにおけるEBM(Evidence-Based Medicine)とオタワ意思決定ガイド
納富理絵

②SDMにおけるNBM(Narrative-Based Medicine)と心理的サポート
井村真澄

HTLV-1キャリアの母親の授乳と乳汁産生抑制
武市洋美

■事例から学ぶHTLV-1キャリアの母親へのサポート
①完全人工栄養を選んだ母親へのサポート
柘植 薫

②短期母乳栄養を選んだ母親へのサポート
下敷領須美子

■レポート
パンデミック後のキューバに物資を届ける「マタニティセットお届けプロジェクト」を行いました
新田真矢子

■読者の声
ICM第33回国際会議に参加して
菊地 栄

■特別企画インタビュー 田倉智之さん
出産育児一時金,出産の「見える化」,そして「正常分娩の保険適用」を読み解く
河合 蘭

[コラム]保険適用とはどういうことか?──不妊治療の保険適用から1年を振り返って
河合 蘭

■実践報告
当院でのCOVID-19陽性妊産婦への関わりについて──母児同室・異室の選択とそれを支える看護
藤野祐子/北井智春/福田千夏/総毛 薫/大橋正伸/喜吉賢二

保健所と協働で行う地区助産師会による産前産後ケア活動──品川港助産師会の取り組み
葛西圭子/佐々木真紀子/北目利子/竹節志乃/二宮博文/新井久子

●うまれてくる風景[5]
繁延あづさ

●妊産婦を尊重したケアのための国際宣言「ホワイトリボン憲章」を手がかりに考える──人権のはなし[5]
医療者も! 非医療者も! 皆で行う「インフォームドコンセント」
谷口真由美/福澤利江子

●無痛分娩の超ソボクなギモンに産科麻酔科医が答える──教えて! ヒュウガ先生[4]
無痛分娩の看護マニュアルの作成担当者になって困ってます(涙)
日向俊輔/田辺けい子

●「根拠のあるケア」のための新しい考え方──母子相互影響看護論[5]
母乳栄養に関する母子相互影響の問題状況を整える看護
河野洋子

●りれー随筆[454]
ノルウェーからこんにちは
出水由貴(草原)