社会保険旬報 25巻2950号 (2025年1月発行)

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目次／視点

2040年に向けた医療提供改革 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.3

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社会保険旬報の今号の「目次」と、時事の話題に対して意見・解説する「視点」です。

新春鼎談

審査支払機関の役割と未来～医療DXの推進に向けて～神田　裕二 , 榊原　毅 , 原　勝則 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.4-20

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質の高い医療の効率的な提供や医療機関等の業務の効率化などを目指し、医療ＤＸに関する業務が進められている。こうしたなか、国はさらなる医療ＤＸの推進に向けて、医療ＤＸの実施主体として社会保険診療報酬支払基金（支払基金）の抜本改組などを盛り込んだ改正法案を今通常国会に提出する方針を示している。　新春鼎談では、「審査支払機関の役割と未来～医療ＤＸの推進に向けて～」をテーマに、支払基金理事長の神田裕二氏、国保中央会理事長の原勝則氏、厚労省大臣官房審議官の榊原毅氏の３氏で、医療ＤＸの推進や「近未来健康活躍社会戦略」、保険者・自治体の支援、今後の審査支払機関の展望について語り合ってもらった。

霞が関と現場の間で(59)

堀田力さんのこと中村　秀一 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.21

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偉い人がいるものだ　12月4日、新幹線の車中でさわやか福祉財団から堀田力氏の逝去を知らせるメールを受け取った。車窓を眺めながら堀田さんとのお付き合いを反芻した。

論評

２０２５年を迎えた介護保険制度の課題と展望結城　康博 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.22-26

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はじめに　２０２５年は団塊世代のすべてが後期高齢者に到達する時期とされ、地域包括ケアシステムの構築・深化、介護人材確保の推進といった各種の施策の目標となってきた年である。そうして迎えた２０２５年は、介護業界にとってどのような年になるのであろうか？　率直に言って、介護事業者や介護現場で働く方々にとっては厳しい状況が続き、利用者や家族にとっての安心した介護生活が危ぶまれるのではないかと感じている。

潮流

２０４０年に向けた医療提供改革社保審・医療部会が意見を了承 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.28-29

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社会保障審議会医療部会（遠藤久夫部会長）は12月18日、「２０４０年頃に向けた医療提供体制の総合的な改革に関する意見」を概ね了承した。厚労省が同日公表した新たな地域医療構想や医師偏在対策のとりまとめ内容のほか、医療ＤＸやオンライン診療の推進、美容医療への対応などを盛り込んでいる（下図表）。同意見を踏まえ、厚労省は次期通常国会に関連法案を提出する方針だ。　医療部会の意見では、具体的な改革内容として、①新たな地域医療構想②医師偏在対策③医療ＤＸの推進④美容医療の適切な実施⑤オンライン診療⑥その他（認定医療法人制度の延長、一般社団法人が開設する医療機関の非営利性の徹底）―の６項目を示した。

医師の手当に保険者の拠出金を充当医師偏在対策で医療保険部会が了承 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.30-31

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社会保障審議会医療保険部会（田辺国昭部会長）は12月19日、医師偏在対策を議論した。医師の手当増額に医療保険者からの拠出金を充てることや健康保険法上に規定する保険医療機関の管理者要件などについて概ね了承した。　同18日に厚労省が公表した「医師偏在対策に関するとりまとめ」のなかで、同部会に関係する３点の見直し案が示され、了承された。

後発医薬品23成分71品目を薬価収載７品目超の４掛けルールを初めて適用 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.32

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厚生労働省は12月６日、後発医薬品23成分71品目を薬価基準に追補収載した。初後発品は９成分41品目で、内用薬で７品目を超える収載があると薬価を先発品の４掛けとするルールが初めて適用された。

マイナ保険証利用促進の保険者は低調日本健康会議が宣言の達成状況報告 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.33

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経済界や医療界など民間主導で健康づくりを進める日本健康会議は10月30日、都内で「日本健康会議２０２４」を開催した。地方自治体や保険者、企業などが目標とする「健康づくりに取り組む５つの実行宣言２０２５」の２０２４年達成状況が報告され、マイナ保険証の利用促進に取り組む医療機関・薬局は目標の20万施設を超えたものの、保険者の達成割合は０・８％と低調だった。

News

６年度決算見込み医業利益▲１６９０億円全自病／医療部会の「意見」に病院代表が異論／在宅推進医療フォーラムが開催／保険者機能を推進する会が全国大会／中間年改定廃止を首相に申入れ国民民主／ポリファーマシー対策推進事業の方向性了承 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.34-36

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医療提供に関する政府の審議会・検討会や業界団体の動向などの最新情報をお伝えする「News」コーナーです。

新春随想

「乙巳」の今年は変化の年に松岡　かおり 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.37

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新年、あけましておめでとうございます。　私は昨年6月に日本医師会常任理事を拝命させていただきました。担当分野は、主に産業保健、女性医師バンク、女性医師支援センター、有床診療所となります。まだまだ精進の日々ですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

戻ってきた年末年始山本　則子 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.38

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あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。　日ごろお忙しいみなさまも、年末年始といえば、さすがに束の間のお休みで思い思いに過ごされていることかと存じます。ところが、私の本務である大学教員としての生活では、クリスマスやお正月をゆっくり過ごすという経験がありませんでした。これまで仕事をしてきた大学ではどこでも、大学院生の修士論文提出が年明けでした。その結果何が起きるかといえば、年明けの論文提出に向けて必死になって論文を書いている学生に付き合わざるを得ない数週間。クリスマスごろから臨戦態勢になります。日中に学生が必死に書いた原稿を教員が添削し、教員が原稿を読んでいる間に束の間の睡眠をとった学生が起きるころまた返却する、ということの繰り返しです。歌の好きな家庭に育った私は、大晦日の歌合戦を聞きながら大掃除の仕上げをしたり、おせちを作ったりということが日常でしたが、教員になってからは、大掃除もおせちも初詣も家族もそっちのけ、歌合戦も時折ＢＧＭにする程度で、ＰＣにかじりついて論文を添削するのが日常になってしまっておりました。

天武・持統天皇の足跡をたどる美原　盤 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.39

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「春過ぎて夏来るらし白妙の衣乾したり天香具山」、持統天皇は藤原宮大極殿でこの歌を詠んだ。その季節は初夏であったが、今12月、自分がこの寒空の中、くっきりと耳成山、天香久山、畝傍山が均一に眺められるこの大極殿跡に立つと、なぜ持統天皇は天香久山を歌の主題として選んだのか、その訳をはっきりと理解することができる。

「医師の働き方改革」に思う望月　泉 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.40

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新年明けましておめでとうございます。皆様方におかれましては、健やかに新しい年を迎えられたことと存じます。　さて、昨年４月から罰則付き医師の時間外労働の上限規制が始まりました。単純に時間外労働を減少させようとしますと、医師にとって大事な経験症例の減少、研修時間の減少、診療制限によるアクセスの悪化、経営の悪化を招来し、地域医療が破綻します。地域医療崩壊は医療提供体制が破綻することですが、提供する医療の質も大事な要素で、低下しないよう担保されなければならないと思います。

昭和１００年を迎えての雑感矢野　諭 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.41

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意識している方は少ないかもしれないが、２０２５年はちょうど「昭和１００年」に当たる年である。多くの方々にとっては、そんなことはどうでもよくて、２０２５年問題のほうが重要であると考えるかもしれない。確かに２０２５年問題やそれに続く２０４０年問題は、日本経済や社会の広い領域に甚大な影響を及ぼす深刻な問題であることには違いない。しかし、この流れ自体はだれも止めることはできないし、悲観的に考えても仕方がないので、本稿ではあえて２０２５年問題から離れ「昭和１００年」を契機に、昭和についての思いを綴ってみたい。

母を想う天野　純子 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.42

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昨年6月、母が逝った。　享年87歳だった。死因ははっきりしないが、早朝に左胸部・背部の痛みを訴えて、救急車で近隣の総合病院に搬送された。腹部のＣＴにて、腹腔内に空気が認められ、消化管の穿孔を指摘された。血圧も低下しており、回復手術は困難であったため、対症療法にて経過観察をしていたが、同日、夜に息を引き取った。前日は通常通り診療をしていたようだ。

医療介護の現場を守る研究を松田　晋哉 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.43

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いよいよこの３月で母校である今の大学を退官となる。大学卒業後、途中、京都大学やフランス国立公衆衛生大学校で学ばせていただいたが、この40年間のほとんどを母校である産業医科大学で過ごした。国際保健をやることをめざして公衆衛生学の道に進んだものの、途上国で医療支援を行うことに対する自分の考えや姿勢の甘さに気づき、フランス留学を機にデータ分析を主とした制度研究に軸足を移すことになった。以後、ＤＰＣの開発や地域医療構想・地域医療計画のためのデータ整備、医療と介護のレセプトの連結分析の方法論の開発など、面白い仕事を数多くやらせていただいた。この分野の研究を志してからの30年を振り返ると、本当に多くの運と人との縁に恵まれたと思う。

年金制度の動き

令和６年度市区町村国民年金事業功績厚生労働大臣表彰を授与／令和６年度「わたしと年金」エッセイの受賞者を決定／最終的な国民年金保険料率は令和６年９月83.1％、10月83.2％／令和6年能登半島地震で被害を受けた事業主等の厚年保険料等延長後の納期限／「ねんきんネット」利用者に源泉徴収票や控除証明書の電子送付サービスのお知らせ／社保審年金部会が次期年金制度改革の議論の整理まとめる 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.44-45

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年金制度や労働行政等のニュースをお伝えする「年金の動き」です。

編集室

謹賀新年 25巻2950号 , 2025年1月 , pp.46

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取材中のこぼれ話など編集者の余談を綴った「編集室」です。

基本情報

社会保険旬報
25巻2950号
(2025年1月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：1343-5728 社会保険研究所

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