Japanese
English
特集 アレルギー疾患
セミナー アレルギー疾患への具体的アプローチ
好酸球増多をきたす疾患
関谷 潔史
1
1国立病院機構相模原病院アレルギー・呼吸器科
キーワード:
▶好酸球増多とは,一般的には末梢血中の好酸球数が500/μLを超える場合と定義される.
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▶HESは,骨髄で好酸球系細胞が自律性に異常増殖する疾患で,クローン性好酸球増多をきたす造血器腫瘍を除いた疾患群の総称である.
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▶HESは,特発性・骨髄増殖性・リンパ増殖性・遺伝性・さまざまな原因による反応性(二次性)に分類される.
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▶「PDGFRA/PDGFRB/FGFR1などの遺伝子再構成が原因の好酸球増多を伴う骨髄球系腫瘍」・「慢性好酸球性白血病」・「異常なT細胞クローン増殖によるサイトカイン過剰産生に伴う好酸球増多症」は,特発性HESから独立した概念となっている.
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▶EGPAは,喘息を主とする慢性閉塞性気道疾患+好酸球増多を基本病態とし,それに加えて血管炎に伴う虚血障害と好酸球浸潤による臓器障害を発症する原因不明の全身壊死性血管炎である.
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▶ABPA/ABPMは,真菌抗原によるⅠ型および真菌の持続感染によるⅢ型アレルギーに加えて2型免疫応答を誘導されることで発症する.
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▶AEPは,若年男性に好発し,喫煙などが原因となり,胸部画像所見での両側びまん性のすりガラス陰影や両側胸水貯留を特徴として,急速に呼吸不全に至るなど重篤症状を呈することが多く,発症早期には末梢血好酸球増多を確認できないことが多い.
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▶CEPは,30~40歳台に好発し,やや女性に多く,喫煙との関連性は少なく,気管支喘息症例に併存することが多く,診断時には末梢血好酸球増多を認めることが多い.
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▶ECRSは,鼻粘膜・鼻茸への著しい好酸球浸潤・両側性かつ多発性の鼻茸形成・ニカワ様の粘稠な鼻汁・篩骨洞優位の炎症を特徴とし,気管支喘息やNSAIDs過敏喘息を合併することが多い.
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▶日本人に好発するAEは,非反復性であり,20~30歳台の若年女性に多く,血管性浮腫が四肢に限局していることを特徴とする.
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▶正常食道粘膜では好酸球浸潤をほとんど認めないため,食道粘膜生検における上皮内好酸球の存在がEoE診断の強い根拠となるが,食道以外の消化管では,健常者でも好酸球浸潤を認めることからEGE診断の際には注意を要する.
Keyword:
▶好酸球増多とは,一般的には末梢血中の好酸球数が500/μLを超える場合と定義される.
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▶HESは,骨髄で好酸球系細胞が自律性に異常増殖する疾患で,クローン性好酸球増多をきたす造血器腫瘍を除いた疾患群の総称である.
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▶HESは,特発性・骨髄増殖性・リンパ増殖性・遺伝性・さまざまな原因による反応性(二次性)に分類される.
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▶「PDGFRA/PDGFRB/FGFR1などの遺伝子再構成が原因の好酸球増多を伴う骨髄球系腫瘍」・「慢性好酸球性白血病」・「異常なT細胞クローン増殖によるサイトカイン過剰産生に伴う好酸球増多症」は,特発性HESから独立した概念となっている.
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▶EGPAは,喘息を主とする慢性閉塞性気道疾患+好酸球増多を基本病態とし,それに加えて血管炎に伴う虚血障害と好酸球浸潤による臓器障害を発症する原因不明の全身壊死性血管炎である.
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▶ABPA/ABPMは,真菌抗原によるⅠ型および真菌の持続感染によるⅢ型アレルギーに加えて2型免疫応答を誘導されることで発症する.
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▶AEPは,若年男性に好発し,喫煙などが原因となり,胸部画像所見での両側びまん性のすりガラス陰影や両側胸水貯留を特徴として,急速に呼吸不全に至るなど重篤症状を呈することが多く,発症早期には末梢血好酸球増多を確認できないことが多い.
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▶CEPは,30~40歳台に好発し,やや女性に多く,喫煙との関連性は少なく,気管支喘息症例に併存することが多く,診断時には末梢血好酸球増多を認めることが多い.
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▶ECRSは,鼻粘膜・鼻茸への著しい好酸球浸潤・両側性かつ多発性の鼻茸形成・ニカワ様の粘稠な鼻汁・篩骨洞優位の炎症を特徴とし,気管支喘息やNSAIDs過敏喘息を合併することが多い.
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▶日本人に好発するAEは,非反復性であり,20~30歳台の若年女性に多く,血管性浮腫が四肢に限局していることを特徴とする.
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▶正常食道粘膜では好酸球浸潤をほとんど認めないため,食道粘膜生検における上皮内好酸球の存在がEoE診断の強い根拠となるが,食道以外の消化管では,健常者でも好酸球浸潤を認めることからEGE診断の際には注意を要する.
pp.1435-1441
発行日 2026年10月1日
Published Date 2026/10/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.43.10_010
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はじめに
好酸球は,寄生虫感染およびウイルス感染に際して免疫調節/宿主防御と恒常性維持に重要な顆粒球の一つであるが,一方で組織への異常集積により局所の炎症を引き起こし,各種臓器障害に関与する.好酸球の生存支持/産生の促進/受容体の発現亢進/遊走活性の促進/接着強化作用に深く関わるIL-5を中心としたサイトカインの役割が明確になり,好酸球増多を伴う疾患の理解も進んでいる.好酸球炎症の主な機序は,Th2細胞およびILC2から産生されるエオタキシン/IL-4/IL-5/IL-13により活性化した好酸球が,末梢血から炎症組織へ血管外遊出し,組織に動員された好酸球は,断片的脱顆粒に加えて,プログラムされた細胞崩壊であるeosinophil ETosisによる細胞溶解性脱顆粒により細胞質内顆粒タンパク・好酸球細胞質内タンパクであるgalectin-10・核内DNAなどがeosinophil extracellular traps(EETs)として放出されることで細胞毒性を示し,強い好酸球性炎症が惹起される1).本稿では,好酸球増多に伴い引き起こされるさまざまな疾患について解説する.

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