Japanese
English
未知なる発酵食を訪ねて―フィールドワークからみる食と文化⑨
魚醤はいつから東南アジアの味になったのか
横山 智
1
Satoshi Yokoyama
1
1名古屋大学大学院 環境学研究科
pp.318-319
発行日 2026年9月1日
Published Date 2026/9/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn149030318
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- Abstract 文献概要
アジアをつなぐ「うま味」の文化
海外でフィールドワークをしていると,「これこそ土地の味だ」と感じることがある.東南アジアではそれが「魚醤」(ぎょしょう/うおびしお)の香りである.
アジアの食文化には,発酵食品から生まれるグルタミン酸のうま味を調味料として利用しているという共通点があるが,その原料は地域によって異なる.日本を含む東アジアでは,大豆をカビで発酵させたしょうゆやみそなどの「穀醤」(こくしょう/こくびしお)が使われる.一方,東南アジアでは,魚介類を発酵させた魚醤が利用される.これまで紹介してきた調味料としての「納豆」は,ちょうどその中間に位置し,東南アジア大陸部の山地からヒマラヤにかけて広く利用されている.アジアのうま味文化は,大豆や魚介類を原料とする発酵調味料の利用が地域ごとに広がり,互いに重なり合いながら形づくられてきた(図1).
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