鏡下咡語
東南アジアの難聴児救済
竹腰 昌明
1
1竹腰耳鼻咽喉科
pp.748-749
発行日 1995年8月20日
Published Date 1995/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901188
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1.事業の背景
東南アジアでは,耳鼻咽喉科医師の不足と衛生状態の悪さから,熱帯のため急性中耳炎から慢性化膿性中耳炎へと進展し,真珠腫や脳膜炎を起こして死亡する子供達が少なくない。因に,日本では人口1万4千人に一人耳鼻咽喉科医が存在するが,フィリピンでは21万人に一人,タイでは37万人に一人,インドネシアでは56万人に一人,ネパールでは86万人に一人,ビルマでは190万人に一人の割合となっている。日本のように保険医療制度もなく,経済事情から中耳炎に罹患している子供達は放置されることになる。
タイでは,10年来スートーン教授を主体とする耳鼻咽喉科医のボランティアにより,改造したワゴン車で僻地を廻り,無料検診・治療が実施され,1日に数十入の子供達が手術されたとの報告がある。このボランティア活動には日本の耳鼻咽喉科医も参加している。
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