Japanese
English
特集 持続可能な医療制度に向けて――医療経済・政策学によるアプローチ
医療経済学の基礎
Fundamentals of Health Economics
康永 秀生
1
Hideo YASUNAGA
1
1東京大学大学院医学系研究科臨床疫学・経済学
キーワード:
医療経済学
,
医療サービスの経済的特性
,
市場の失敗
,
医療技術評価
Keyword:
医療経済学
,
医療サービスの経済的特性
,
市場の失敗
,
医療技術評価
pp.456-459
発行日 2026年8月15日
Published Date 2026/8/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298060456
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経済学は,希少な資源の最適配分を通じて社会的厚生の最大化を目指す学問である.医療経済学は,保健医療分野における経済活動の理論分析・実証分析を行うミクロ経済学の一分野である.医療制度全体や国民医療費の将来像を分析するマクロ経済学の一分野でもある.さらに,特定の医療サービスや医薬品の費用対効果の分析を行う医療技術評価も含まれる.医療サービスは信頼財であり,不確実性や情報の非対称性などにより市場の失敗が生じやすく,政府の規制が必要となる.公的医療保険制度は逆選択やモラルハザードに対応する仕組みであるが,国民医療費高騰という課題を抱える.医療技術の進歩により,これまで治療の対象とならなかった患者にも治療が行われ,高額な医薬品や医療機器などが次々に開発されている.今後は医療サービスの費用対効果の分析や価値評価に基づく資源配分の重要性がますます高まっていくであろう.

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