Japanese
English
TOPICS 糖尿病・内分泌代謝学
ウォルフラム症候群における糖尿病の発症機構
-――膵β細胞の可塑性と脱分化
Pancreatic beta cell plasticity and dedifferentiation, the underlying mechanism of diabetes in Wolfram syndrome
田部 勝也
1,2
,
西村 渉
1
Katsuya TANABE
1,2
,
Wataru NISHIMURA
1
1自治医科大学医学部解剖学講座解剖学部門
2ひびきの杜内科クリニック
pp.1212-1214
発行日 2026年6月27日
Published Date 2026/6/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu297131212
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ウォルフラム症候群
ウォルフラム症候群(OMIM 222300)は,若年発症の糖尿病と視神経萎縮を主徴とし,尿崩症,難聴,多彩な精神神経症状を進行性に合併する多系統神経内分泌変性疾患である1-2).若年発症糖尿病と両側視神経萎縮の合併に主要な原因遺伝子WFS1の遺伝子解析を組み合わせて診断が行われる3).日本における患者数は150~200人と考えられ,有病率は71万人に1人と推定される4).WFS1遺伝子がコードするタンパク質,ウォルフラミンは小胞体膜上に局在し,これまでに小胞体におけるカルシウム貯蔵とカルシウム放出や小胞体ストレス応答,さらに小胞輸送に関与することが明らかにされている5).しかし,発病に至る組織変性メカニズムは十分に解明されておらず,有効な予防法と治療法も確立されていない.一般にインスリン依存性糖尿病が初発徴候となることから,インスリン産生細胞である膵β細胞の病態を理解することが発症メカニズムを理解するうえで重要と考えられている.

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