Japanese
English
特集 周産期診療コツと落とし穴
Ⅱ.新生児編
(5)入院中〔呼吸〕
130.経鼻酸素投与の留意点
松本 敦
1
Atsushi Matsumoto
1
1岩手医科大学小児科
キーワード:
低流量システム
,
高流量システム
,
酸素加湿
,
呼気終末陽圧
,
ウォッシュアウト効果
Keyword:
低流量システム
,
高流量システム
,
酸素加湿
,
呼気終末陽圧
,
ウォッシュアウト効果
pp.423-425
発行日 2026年10月10日
Published Date 2026/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002946
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酸素投与方法
酸素を吸入する方法は,低流量システム,高流量システム,リザーバーシステムに分類される。低流量,高流量とは,患者が必要とする1回換気量を超える酸素と空気の混合ガスを供給するか,しないか,を意味する。経鼻酸素投与として一般的に使用されるものは低流量システムであり,患者の1回換気量以下の酸素ガスを供給する。また,通常は患者の1回換気量により吸入する室内空気の量が異なるため,吸気ごとに吸入酸素濃度も変化し,吸気時間が同じでも1回換気量が大きいほど,また,1回換気量が同じであっても呼気時間が短いほど,吸入酸素濃度は低くなる。しかし,小児では鼻カヌラの酸素流量と,その結果得られる吸入酸素濃度との関係には成人1)のような目安がない。Shannら2)は,2歳未満の児で2 L/分で酸素を投与した場合と鼻咽頭から酸素を投与した場合に,児が得られる酸素は鼻咽頭から酸素を投与した場合よりも鼻腔から投与したほうが多くの酸素流量が必要であることを示したが,1 L/分で酸素投与した場合は逆の結果であった。Kuluzら3)は,下咽頭カテーテルで測定した吸入酸素濃度とほぼ同じとなることを示した。伊藤ら4)は,乳幼児・小児において鼻カヌラ2 L/分で酸素を投与した場合,体重と吸入酸素濃度との間には負の相関関係があることを示したが,2 L/分より流量が少ない場合には自発呼吸の影響も受けやすく,今後の検討課題とされており,経鼻酸素投与の際には,患児の酸素化能を慎重に評価して流量や吸入酸素濃度を設定する必要があるとしている。

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