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特集 次世代を拓く整形外科教育
Ⅴ章.教育環境・支援体制
3.次世代を拓くメンターシップを考える
-――わが国の文化的背景をふまえて
Mentorship for the next generation in Japan
片山 皓太
1
,
中村 武弘
2
K. Katayama
1
,
T. Nakamura
2
1聖マリアンナ医科大学総合診療内科学
2あんしんクリニック住吉
1Dept. of General Internal Medicine, St. Marianna Univercity school of Medicine, Kawasaki
キーワード:
mentorship
,
mentorship malpractice
,
mentorship team
Keyword:
mentorship
,
mentorship malpractice
,
mentorship team
pp.620-623
発行日 2026年5月25日
Published Date 2026/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei77_620
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- 参考文献 Reference
は じ め に
メンターシップとは,経験豊富なメンターが比較的経験の浅いメンティーの成長を支援する相互的な関係をさし,その関係性の中で両者はともに成長する1).メンターシップの本質は,知識の伝達にとどまらず,専門的能力の育成・キャリア形成・心理社会的支援を含む包括的な成長支援にある.
欧米では,医療教育におけるメンターシップの有効性は多くの報告で示されている.たとえば,メンターシップは学術的生産性(論文数や研究費獲得),臨床能力の向上,キャリア満足度の上昇,さらには燃え尽き症候群や抑うつなどのメンタルヘルスの改善にも寄与することが明らかにされている2).整形外科を含む外科系領域では,専門的技術の習得やキャリア形成の選択に長い時間を要するため,良質なメンターシップは若手医師の能力向上とキャリアの持続性を支える重要な要素と考えられる.
「メンター」という語は,古代ギリシア神話の賢人メントール(Mentor)に由来する.トロイ戦争に赴くオデュッセウスから息子テレマコスの教育と人格形成を託された人物であり,この神話に象徴されるように,メンターは単なる技術指導者ではなく,長期的視点をもって成長を支える伴走者として理解されてきた.
本稿では,まず欧米の医学教育で発展したメンターシップの分類を整理し,さらに近年注目されているmentorship malpractice(メンタリング不全)の視点を紹介する.そのうえで,わが国の文化的背景がメンターシップに与える影響を概観し,わが国の次世代のメンターシップの方向性について考察する.

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