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特集 ヘルスリテラシーの視点から考える意思決定支援
対象別の意思決定支援
認知症のある高齢がん患者の意思決定支援
波多江 優
1
Suguru HATAE
1
1JA神奈川県厚生連相模原協同病院患者総合サポートセンター/がん看護専門看護師
pp.385-389
発行日 2026年7月1日
Published Date 2026/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango31_385
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事例の概要
事例紹介
Aさん,80代,女性.グループホームに入居中.
治療経過
10年前に乳がんの診断を受けたが,心臓の機能がわるく手術ができず,ホルモン療法が開始された.2年前から腫瘍が増大してきたため,放射線療法を実施し,その後もホルモン療法をしながら外来での定期通院を行っていた.これまでもAさんと長女は侵襲的な治療は希望せず,生活を維持していくことを目標とする治療を選択してきていた.
今年になりさらに腫瘍が増大し,皮膚への浸潤が出現してきたため,今後の治療や療養の場について相談が必要となった.
内服薬
NMDA受容体拮抗薬・アセトアミノフェン(疼痛時頓服)
介護保険
要介護3
Aさんは15年前に夫が亡くなり,一人暮らしになった.そのころより物忘れが進み,アルツハイマー型認知症と診断され,内服治療が開始となった.その後一人暮らしが困難となり,5年前から現在のグループホームに入所している.グループホームでは,短期記憶の障害はあるが,職員の見守りや促しがあれば生活を送ることができており,アルツハイマー型認知症の進行度を評価するFAST(Functional Assessment Staging Tool)ではステージ4と判断されていた.
長女もグループホームの近くで生活しており,外来受診の際には付き添いを行っていた.長女は現在のグループホームでの療養を継続することを希望し,なるべく生活環境を変えたくないと考えていた.
Aさんは,もともとは小学校の教員をしており,1人で静かに過ごすよりは人と交流をもち話すことを好んでいた.

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