今月の症例
高齢がん患者の終末期における意思決定支援 ~意思決定のプロセスを見直し意思形成・表明・実現を支援する~
山口 歩
1
1聖路加国際病院看護部/がん看護専門看護師
pp.461-466
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_461
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はじめに
2023年3月,第4期がん対策推進基本計画が策定され,第3期計画に引き続き高齢者のがん対策について言及された.とくに第4期計画においては,高齢者のがん患者やその家族等の意思決定支援の推進1)が取り組むべき施策として明記され,高齢化が進む日本社会におけるがん医療の課題となっている.
今回,高齢がん患者の終末期における意思決定に際して,患者本人の意思が置き去りにされてしまっていないだろうか,という疑問から,CNSの役割認識のもとケアの見直しを行い,病棟看護師とともに本人の意思決定能力の向上に働きかけ,本人が望む過ごし方への支援を続けた症例を経験したため報告する.
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