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遊離型トリヨードサイロニン(free triiodothyronine,FT3)および遊離型サイロキシン(free thyroxine,FT4)の血中での存在様式はどうなっているのだろう?
目的とする分析対象の血中での存在様式を知っておくことは極めて重要だ.甲状腺ホルモンとしては下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone,TSH)とその標的臓器である甲状腺から放出されるトリヨードサイニン(triiodothyronine,T3)およびサイロキシン(thyroxine,T4)が知られている.このT3およびT4は血液中では主としてサイロキシン結合グロブリン(thyroxine-binding globulin,TBG),プレアルブミン(thyroxine binding prealbumin, TBPA)およびアルブミン(albumin,Alb)により運搬されているが,一部は高密度リポ蛋白質(high-density lipoprotein)に結合し細胞内へのT4の取り込みに関与している.血中ではT3は0.3%,T4は0.03%が遊離型(free,F)として存在し,これが生理活性を示す.TBGの血中濃度は低いがT3・T4に対し高親和性を示すのに対し,TBPA,Albの血中濃度はTBGに比較し高くT3・T4に対する親和性は低い.また,TBGへの親和性はT4がT3に比較し10倍程度大きい.当初は総T3および総T4が測定されていたが,近年になり生理的に活性をもつFT3,FT4が臨床症状を的確に表していることから,現在ではFT3,FT4が主として測定されるようになった.T3およびT4はその構造から難溶性であり血中濃度は極微量である.したがって生理活性を示す濃度はFT3,FT4はいずれもpmolオーダーである.

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