免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際
8・ホルモン
B 甲状腺ホルモン
③遊離T4,遊離T3
酒井 倫子
1
,
金井 正光
2
1信州大学医学部附属病院中央検査部
2信州大学医学部臨床検査医学教室
pp.815-817
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204608
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血中の大部分のT3,T4は結合蛋白(TBP)と結合しており,生体内で直接代謝に関与する遊離型はT3の0.2%,T4の0.02%にすぎない,また,その測定値は,結合蛋白異常でも臨床症状をよく反映し,甲状腺機能の指標として重要である.
遊離T4の測定は従来,平衡透析法1),ゲル濾過法2),限外濾過法3)などで行われてきたが,方法が煩雑であるため,一般化は困難であった.1980年代に入ってから,さまざまな原理のRIAが開発され,検討がなされてきたが4,5),最近は抗T4抗体と強い親和性を持つがTBGとは結合しないT4誘導体を標識物質として用いた競合反応法が主流を占めている.遊離T3についても同様の測定法が開発されている.また,同様の原理を応用したnon RIA測定法も開発されつつある.
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