Japanese
English
特集 小児臨床検査2024
Ⅻ.内分泌・代謝検査
2.甲状腺・副甲状腺機能検査・骨代謝 2)TSH,T3,T4,FT3,FT4,TBG,サイログロブリン(Tg)
TSH,T3,T4,FT3,FT4,TBG,Thyroglobulin(Tg)
阿部 清美
1
Kiyomi Abe
1
1東京都済生会中央病院小児科
キーワード:
甲状腺機能低下症
,
甲状腺機能亢進症
Keyword:
甲状腺機能低下症
,
甲状腺機能亢進症
pp.437-441
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001978
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Ⅰ.TSH,T3,T4,FT3,FT4
1 検査の意義と適応
甲状腺から1日に産生される甲状腺ホルモンの量は,T4が約80μg,T3が約10μgである。血中に分泌されるT3の総量は約40μgで,これは甲状腺で産生される10μgと,肝臓などの甲状腺外組織でT4から脱ヨウ素酵素によりT3に変換された30μgの合計である。T4の血中半減期は7日,T3は1日である。T3の活性はT4の4~8倍高いとされ,主にT3が末梢組織で作用を発揮する。甲状腺ホルモンの大部分はTBG(サイロキシン結合グロブリン)などの結合蛋白と結合しているため,実際には生理活性を持つ遊離型のFT4(T4の約0.03%)とFT3(T3の約0.3%)を測定するのが一般的である。甲状腺ホルモン濃度は,下垂体前葉から分泌されるTSHにより調節され,TSH分泌は視床下部から分泌されるTRHにより制御される。T3とT4は視床下部と下垂体にフィードバックをかけ,過剰な場合はTRHとTSHの分泌を抑制し,不足の場合は促進する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.