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今月の表紙
百聞は一見に如かず・9 飲酒と食道癌
松谷 章司
1
1NTT東日本関東病院病理診断部
pp.839
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100720
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- Abstract 文献概要
がん発生には,環境因子と体質的因子が関与しています.食道癌の発生にはアルコールとたばこの関与がよく知られていますが,大飲酒家や重喫煙者すべてが発癌するかというとそうでもないことも事実です.最近,体質的因子として,アルコール代謝関連酵素の遺伝的多型が食道癌に関与していることが明らかになってきました.ここで,国立病院久里浜アルコール症センターの横山顕先生たちの研究を紹介しましょう.
アルコールを飲むと顔が赤くなる(フラッシング反応)のはアルコールから代謝されたアルデヒドによるもので,アルデヒド脱水素酵素2(aldehyde dehydrogenase 2,ALDH2)には,ALDH2*1/2*1の正常型と,ヘテロ欠損者(ALDH2*1/2*2)とホモ欠損者(ALDH2*2/2*2)とが存在します.アルコール飲酒後の血中アルデヒド濃度を調べると,正常を1として,それぞれ6倍,19倍となるそうです.ヘテロ欠損者の食道癌リスクは少量飲酒の場合,正常型と比較して8.84倍,3合相当以上飲酒の場合,114倍となります.飲酒を続けているとフラッシング反応が消失していくとしても,過去にフラッシング反応があった人がヘテロ欠損者である確率は95%であり,このような人が飲み続けると食道癌のハイリスク群になると考えられそうです.アルコール量に依存してリスクが増すことはいうまでもありません.
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