明日の検査技師に望む
百聞は一見に如かず
山中 喜代治
1
1大手前病院臨床検査部
pp.390
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902384
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“一度と二度の経験差は少しでも無しと一度では大差である”
ギリシャの医師ヒポクラテスは,その〈誓い〉の中で「病気を治癒させるのは人の“自然”であり,“医術”はそれを助けるにすぎない」そしてその“医術”とは「観察,実験,経験,把握」であり,これを助ける手段として「音声の清濁,呼吸の遅速,それぞれの与えられた出口から排泄される各種体液の臭い,色,濃淡などの徴候を目安のすること」と述べている.これは,微生物検査の携わって久しい私が常の教訓としてきた言葉であり,「二度と同じものは得られない検体」を大切にしたいと考えている.以下,これまでの経験のいくつかを紹介したい.
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