今月の表紙
百聞は一見に如かず・8 肝炎から肝細胞癌
松谷 章司
1
1NTT東日本関東病院病理診断部
pp.718
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100697
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ウイルス肝炎(viral hepatitis)はB型肝炎(hepatitis B,HB),C型肝炎(hepatitis C,HC)が大半を占め,経過から急性あるいは慢性に分けられる.発病後8週間以内に重篤な肝機能障害,肝性昏睡II度以上の脳症,プロトロンビン時間40%以下を示すものを劇症肝炎(fulminant hepatitis)という.
B型肝炎の急性肝炎は約1%以下で,劇症化しなければ治癒する.母児感染によって持続性感染(キャリア化)が起こると,その約10%はHBe抗原からHBe抗体へのセロコンバージョン(seroconversion)が起こらず,肝炎が持続する無症候性キャリア(asymptomatic carrier,ASC)となるという.HBe抗体陽性となっても約5~10%はHBV(hepatitis B virus)が変異して肝炎が持続し,肝硬変,肝細胞癌へと発展することが多いとされる.
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