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総説
新生児保健指導の問題点—とくに新生児死亡の予防可能性
辻 達彦
1
1群大医学部公衆衛生学
pp.1-9
発行日 1962年1月15日
Published Date 1962/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202478
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- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
公衛の見地から新生児保健指導を訪問指導というかたちで実施する前提として次のことが重要であると考えられる。第一に新生児保健の問題点発見の根拠として
1)新生児死因統計の分析
2)病理解剖所見の考察
3)新生児死亡の予防可能性,および責任所在の検討
4)新生児死亡の社会的経済的要因ならびに母体側要因との関係
などからいかなるものが予防できそうであるか,またいかなるリスクグルーブが区別できるかなどの判断に立脚すべきである。その意味でいえることは母性および小児保健を切りはなすことは全く不合理である。しかし便宜上出生後のいわゆる後天的なものに主眼をおいて対策をたてるとすれば感染防止にとどめをさす。何となれば未熟児,奇形などによるこれまでの新生児死亡のかなりのものは予防困難の現状であるからこれらに多くを望むことは無理である。また新生児死亡を支配する社会的,経済的要因の存在からみて,とくに危険度のたかいと推定される母子を優先し,低社会層のものおよびその集積地区を重点的にかつ濃厚に指導することが必要である。これはとりもなおさず地域差に応じた問題中心的アプローチであってその背景となるものは疫学の活用である。(Bierman,1958)21)個人的あるいは地域的に必要度を測定することなく保健指導を実施することは労のみ多く,その効果を期待することができないと思う。

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