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はじめに
「CBT in Practice : Essentials II」は,Aaron T. Beck博士によって開発・検証され,最新の研究成果を取り入れて改良された認知行動療法(CBT)の実践方法を,講義とロールプレイによる実演を通じて学べるオンラインコースである。初心者から経験豊富な臨床家まで,幅広い層を対象としており,ベック研究所が提供している。その日本語字幕版が「動画で学ぶCBTの実践のコツ」である。
このコースは,ベック研究所のActing Executive DirectorであるAllen Miller博士が指導しており,認知療法尺度改訂版(CTRS-R)を中心に構成されている。CBTを実践するための具体的な「方法」に焦点を当てており,治療同盟の確立,内発的動機づけの創出,セッション構造の理解,各クライエントにとって有効なアクションプランの作成方法,概念化に基づいた治療計画の立案,効果的なフィードバックの引き出し方や対応の工夫などについて学ぶことができる。
本コースの推薦図書として『Cognitive Behavior Therapy : Basics and Beyond Third Edition』(邦訳:『認知行動療法実践ガイド:基礎から応用まで 第3版』)が挙げられている。この書籍では,ベックモデルに準拠した認知的概念化に基づく治療が強調されており,加えて,価値観やアスピレーションを重視するリカバリーを目指す認知療法の要素も取り入れられている。
コース内には,ロールプレイに基づくセッション動画のモジュールも含まれており,アスピレーション(夢や希望)を軸とし,日々の活動の中からポジティブな結論を導き出す様子,またセラピーの内外でポジティブな感情を体験していくプロセスを視聴することができる。

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