特集 弱者への暴力
女性への暴力:夫・恋人からの暴力
笹田(堀) 琴美
1
1郡山女子大学家政学部人間生活学科
pp.651-654
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101626
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
増加する女性への暴力
警察庁におけるドメスティック・バイオレンス(Domestic Violence,以下DV)の認知件数は,平成20年度は前年に比べて20%増加して25,000件を超えた(図1).ストーカー事案の認知件数も,平成19~20年度は連続で8~9%の増加となった1).最近の急激な景気悪化による生活基盤の崩壊や社会不安の蔓延を背景に,家庭の中で紛争や暴力が起こりやすくなっているのだろう.中には殺人や死体遺棄などの重大な事件に発展するものもある.女性に対する暴力は,女性の生命を脅かし健康に害を及ぼす社会問題である.
本稿では,筆者の現場経験(前職:福島県女性のための相談支援センター所長)も交じえ,女性への暴力の最近の課題や対応の注意点,防止教育の試みなどについて述べてみたい.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.