特集 村瀬嘉代子1935-2025
村瀬統合的心理療法からの学び
新保 幸洋
1
1東邦大学
pp.164-170
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp25080164
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I はじめに
編集部より村瀬先生の追悼論文を執筆する機会を与えていただき,一体自分に何が書けるのだろうかと考えた。村瀬先生からは人生の節目節目においてさまざまなことを教えていただいたが,最も刺激を受けたことは,やはり村瀬先生の提唱された統合的心理療法(以下,村瀬統合的心理療法と略す)の実践からの学びであった。したがって本稿では,これまで筆者が村瀬ゼミや先生との日常的な会話,その著作物等から学んだ村瀬統合的心理療法を支える基本的要素に関する考察を記すことにした。それらに筆者の思い込みや偏りがあり,散漫な記述になることは重々承知の上で,村瀬先生が心理臨床に関して我々に与えてくださった数多くの示唆について考えてみたい。

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