特集 村瀬嘉代子1935-2025
コミュニケーションを生み出すもの,それを育むもの
村瀬 嘉代子
pp.64-71
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp25080064
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1 はじめに
コミュニケーションの障害にかかわるということは,人間という存在を深く受け止め,いろいろな方面から考え,出会うということが必要です。
人は一人では生きられません。相手と繋がり合いたい,わかり合いたい,分かち合いたいと願うものです。ある時に,自分のコミュニケーションをとる力に何か不都合な面が生じても,自尊心をもって,人と分かち合い,自分らしく認められて,相互に人の役にも立ちながら生きていきたいという,努力して伝えたいというその人自身の存在を受け止めるようにします。このような人としての根本的な願いがなければ,技術の部分だけいくら訓練しても,本当にその人らしいコミュニケーションには育っていきがたいのではないかと思いまして,基本の留意点について,ご一緒に考えてみたいと思います。

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