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行動の活性化と回避がアンヘドニアに及ぼす影響―6カ月間の縦断的調査による検討
山本 竜也
1
,
首藤 祐介
2
1神戸松蔭女子学院大学人間科学部
2立命館大学総合心理学部
キーワード:
行動活性化療法
,
報酬
,
回避
,
アンヘドニア
,
予測
Keyword:
behavioral activation
,
reward
,
avoidance
,
anhedonia
,
prediction
pp.117-126
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp25020251
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ポジティブ感情の著しい低下を意味するアンヘドニアは臨床上重要な概念であり,抑うつの予後を強く予測する。本研究では行動活性化療法について取り上げ,アンヘドニアの低減に必要な行動活性化療法の構成要素を検討することを目的とした。18~65歳までの538名(男性327名,女性211名,平均年齢48.17歳,SD=10.49)に対して,3時点のオンライン調査を3カ月の間隔をあけて実施し,行動活性化療法の構成要素が1時点後のアンヘドニアを予測するかを検討した。ランダム切片交差遅延モデルを用いた分析により,報酬を得る行動は1時点後のアンヘドニアを一貫して有意に予測した一方,回避は時点間で異なるという結果が得られた。また,本研究で得られた付加的な知見についても取り上げた。これらの結果から,アンヘドニアに対して有効な行動活性化療法の構成要素について議論した。

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