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子ども虐待事例への統合的アプローチによる支援モデルの構築
千賀 則史
1
1日本福祉大学教育・心理学部
キーワード:
子ども虐待
,
子ども虐待
,
統合的アプローチ
,
心理療法統合
,
修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ
Keyword:
child abuse
,
child guidance center
,
integrated approach
,
psychotherapy integration
,
modified grounded theory approach
pp.127-136
発行日 2025年1月10日
Published Date 2025/1/10
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本研究では,子ども虐待事例への統合的アプローチによる支援モデルを構築することを目的とした。虐待臨床経験のある統合的アプローチの実践者20名にインタビュー調査を実施し,得られたデータは修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで分析した。その結果,4個のカテゴリーと22個の概念が生成された。本研究では,支援者は,子どもや家族を尊重し,強みに焦点を当てたアプローチを行う「当事者中心の支援姿勢」という支援哲学を大切にしていることが明らかになった。また,内的世界と外的世界の相互作用に注目し,自己と世界の関係性の見立てを行うといった「統合的な視点からの理解」を心がけていることが分かった。子ども虐待への介入技法としては,「外在化による協働的支援」によって問題を整理しながら共有化を図っていることが明らかになった。さらには,当事者参加型の開かれた対話をすることで「安全・安心な場づくり」を行っていることが示唆された。
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