レコーダ 医療経済フォーラム・ジャパン主催 第23回公開シンポジウム(上)
医療保険の持続可能性
遠藤 久夫
1
1学習院大学長
pp.6-12
発行日 2025年11月11日
Published Date 2025/11/11
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO2981003
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医療経済フォーラム・ジャパン(会長=中村洋・慶應義塾大学大学院教授)は10月2日、都内で第23回公開シンポジウムを開催した。メインテーマは「医療保険の持続可能性」。学習院大学長の遠藤久夫氏が、メインテーマに関して基調講演を行った。続いて5人の識者を加えたシンポジウムに移った。今号では、遠藤氏の基調講演の内容を紹介する。 遠藤氏は、日本の医療保険制度について、少子高齢化と人口減少により現役世代の保険料負担増や医療・介護人材不足が課題となっている状況をデータに基づいて紹介。医療費は増加しているが、高齢者の医療費は人口増が主因で1人当たり増加率は抑制されていることや、医療費の対GDP比が安定傾向にあることなども指摘した。 医療保険の持続可能性を高めるため、積極的な医療費抑制の是非を含め、保険制度と提供体制の両面でさまざまな政策の選択肢があることを示しつつ、「実態の正しい把握、政策効果の有効性や副作用の吟味、それを基にした国民の合意形成の努力という地道な試みが、今後も非常に重要」と強調した。

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