社会保険旬報 25巻2981号 (2025年11月発行)

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目次／視点

診療報酬と補助金の役割を踏まえた賃金上昇等への対応 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.3

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社会保険旬報の今号の「目次」と、時事の話題に対して意見・解説する「視点」です。

座標

四病協　病院の改定率10％超を要望／医療機関　６年度賃上げ３・07％達成／日医　赤字病院の割合は６割超で大幅増 2024年度の病院の経営調査を発表／四病協　病院団体が控除対象外消費税を調査診療報酬補てん率に病院間でばらつき 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.4-5

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厚生労働行政の動向を中心とする最新の情報約４点をシンプルに、コンパクトにお伝えする「座標」です。

レコーダ　医療経済フォーラム・ジャパン主催第23回公開シンポジウム（上）

医療保険の持続可能性遠藤　久夫 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.6-12

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　医療経済フォーラム・ジャパン（会長＝中村洋・慶應義塾大学大学院教授）は10月２日、都内で第23回公開シンポジウムを開催した。メインテーマは「医療保険の持続可能性」。学習院大学長の遠藤久夫氏が、メインテーマに関して基調講演を行った。続いて５人の識者を加えたシンポジウムに移った。今号では、遠藤氏の基調講演の内容を紹介する。　遠藤氏は、日本の医療保険制度について、少子高齢化と人口減少により現役世代の保険料負担増や医療・介護人材不足が課題となっている状況をデータに基づいて紹介。医療費は増加しているが、高齢者の医療費は人口増が主因で１人当たり増加率は抑制されていることや、医療費の対ＧＤＰ比が安定傾向にあることなども指摘した。　医療保険の持続可能性を高めるため、積極的な医療費抑制の是非を含め、保険制度と提供体制の両面でさまざまな政策の選択肢があることを示しつつ、「実態の正しい把握、政策効果の有効性や副作用の吟味、それを基にした国民の合意形成の努力という地道な試みが、今後も非常に重要」と強調した。

ジュネーヴからの便り(27)

最速記録中谷　祐貴子 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.13

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　皆さんが飛行機に乗る時、搭乗予定時間のどのくらい前に家を出ているだろうか。私の場合、東京にいた時は国内線なら約１時間前が目安だった。ここジュネーヴでは国内・国外を問わず約1時間30分前を目安にしている。

論評

医薬品のカテゴリーに応じた薬価制度の提案山瀬　博之 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.14-19

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はじめに　２０２２年６月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針２０２２では、「経済安全保障や医薬品産業ビジョン２０２１等の観点も踏まえ、医薬品の品質・安定供給の確保とともに創薬力を強化し、様々な手段を講じて科学技術力の向上とイノベーションを実現する」という記載が盛り込まれた。これ以降の経済財政運営と改革の基本方針においても「イノベーションの推進」と「安定供給確保」に関する内容が記載されており、医薬品政策の重要な方針となっている。医薬品業界はこの２本柱を達成することによって国民の健康と生命を守るべく様々な取組みを行ってきた。

潮流

上野厚生労働大臣が就任に伴い記者会見医療保険制度改革などへの検討姿勢示す 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.20-21

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　高市内閣で厚生労働大臣に就任した上野賢一郎衆議院議員が10月30日、専門誌記者クラブの共同取材に応じ、多くの課題に直面する厚生行政に関する質問に答えた。会見のやり取りを以下で紹介する。 ■医療機関等への経営等の支援 ──物価・賃金上昇に対応するための医療機関・介護保険施設への支援方法とその水準についてききたい。また、薬局や社会福祉施設に対する支援は含まれているのか。

身体的拘束の定義「見直しを」中医協総会で診療側委員が相次ぎ要求 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.22-23

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　クリップセンサーなどで身体拘束をなくし、活動を上げていくこともできる―。10月29日の中医協総会では、医療関係者らが名を連ねる診療側の委員たちが相次いで「身体的拘束」の定義を見直すよう求めた。「身体的拘束」については、２０２６年度の診療報酬改定に向けて２０２４年度改定後の状況などについて調査・検討した中医協の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」（尾形裕也分科会長）でも委員からクリップセンサーの扱いなどを含めて定義の見直しを求める意見が出ており、中医協総会での検討に注目が集まっている。

「新たな地域医療構想」策定後の取組み２０２８年度以降の着手に後ろ倒し 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.24-25

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厚労省は10月15日に開いた「地域医療構想及び医療計画等に関する検討会」（遠藤久夫座長）で、２０４０年を見据えて策定する「新たな地域医療構想」を実現させるための取組みを開始する時期について「２０２８年度内」との見通しを示した。　「新たな地域医療構想」の策定に向けた昨年末の取りまとめを受けた同検討会ではこれまで、２０２５年度内に構想を作成・実現するための運用面などを定めるガイドライン（ＧＬ）を作り、２０２６年度は将来の病床数の必要量などを推計。２０２７年度には、「医療機関機能」に着目した協議などに進む工程を共有していた。

出産の給付体系の議論を開始社保審・医療保険部会 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.26-27

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　社会保障審議会の医療保険部会（田辺国昭部会長）は10月23日、①医療保険制度における出産に対する支援の強化②医療保険制度改革③令和８年度診療報酬改定の基本方針―をテーマに議論した。 ■12月中にも骨格まとめる４名の専門委員を任命　医療保険制度における出産支援の強化では、出産の給付体系の議論を開始。12月中にも骨格をまとめる方針が示された。

医療費負担のモデルケース踏まえ議論厚労省の高額療養費制度専門委員会 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.28-29

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　厚労省の高額療養費制度の在り方に関する専門委員会（田辺国昭委員長）は10月22日、増大する医療費への対応や負担能力に応じた負担、セーフティネット機能としての制度のあり方の３つの論点について議論した。厚労省が示した医療費負担のモデルケースなどを踏まえ、意見交換した。　同日の専門委員会では、厚労省が社会保障審議会医療保険部会における議論の内容を報告した後、高額療養費制度に関連するデータを説明した。

皆保険存続の危機！今こそ抜本改革を健保連が令和７年度全国大会を開催 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.30-31

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　健康保険組合連合会（宮永俊一会長）は10月22日、都内で令和７年度健康保険組合全国大会を開催した。「皆保険存続の危機！持続可能な制度のために今こそ抜本改革を―現役世代を守れ、２０２５年問題は終わっていない―」をテーマに、「現役世代の負担軽減と全世代で支える持続可能な制度の実現」など４項目の決議を満場一致で採択した。　今大会は約３０００名の健保組合関係者が参集し、ウェブでも２０００名が視聴した。

第45回日本年金学会総会・研究発表会開催勤労者皆保険向上とワーク・ロンガー戦略を提唱 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.32-33

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　第45回日本年金学会総会・研究発表会が10月23・24日に開催され、総会では２０２４年決算案および２０２５度予算案を承認。新代表幹事に権丈善一氏（慶應義塾大学）が選出され就任した。研究発表会では、１日目は自由論題、２日目は「社会保障の持続可能性を踏まえた高齢期の生活保障の在り方」を共通論題に研究発表（「●共通論題の発表者と発表タイトル」参照）と、基調講演・特別講演およびシンポジウムが開催された。

長期収載品・ＢＳの価格設定で議論薬価算定ルールの簡素化が焦点に 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.34

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　中医協薬価専門部会が10月29日に開かれ、長期収載品の価格引下げや後発品・バイオシミラー（ＢＳ）の価格設定などについて議論した。長期品から後発品への置き換えが進む中で、薬価算定ルールの簡素化などが焦点となった。

若者の自殺者が３千人超えで高止まり令和７年版の自殺対策白書を公表 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.35

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　厚労省は10月24日、「令和６年度我が国における自殺の概況及び自殺対策の実施状況」（令和７年版自殺対策白書）を公表した。令和６年の自殺者は前年より減少し、統計開始（昭和53年）以降２番目に少ない数値だった。一方で、小中高生の自殺は統計のある昭和55年以降、最多の数値となった。

資料

慢性期入院医療・身体的拘束移植医療、賃金増率中医協・総会（2025年10月29日開催） 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.36-39

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　厚生労働省が中央社会保険医療協議会・総会に提出した「入院（その３）慢性期入院医療・身体的拘束」、「個別事項（その４）移植医療」、「医療機関を取り巻く状況（賃金増率）の資料の一部を掲載する。

雇用・労働の動き

フリーランス法「よく知らない」約６割施行後も半数以上が問題改善されず／事業主証明による被扶養者認定年収の壁対策の特例を恒久化／被扶養者認定の年間収入令和８年４月から「残業代」含めず／労災保険の支給決定処分事業主への通知の可否を検討／９割以上の企業が賃上げ業況が「良い」企業は４割弱／同一労働同一賃金ガイドライン見直しに向けて論点示す 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.40-41

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雇用・労働行政や安全衛生に関するトピックスを提供する「雇用・労働の動き」です。

編集室／ワードカプセル

編集室／ワードカプセル：バイオシミラー 25巻2981号 , 2025年11月 , pp.42

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取材中のこぼれ話など編集者の余談を綴った「編集室」と、一つの言葉をピックアップして解説する「ワードカプセル」です。

基本情報

社会保険旬報
25巻2981号
(2025年11月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：1343-5728 社会保険研究所

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