扉
事業継続と持続可能性
坂井 信幸
1
1神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
pp.985-988
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436204311
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令和2(2020)年は,世界中が新型コロナウイルスに翻弄され,われわれが携わる医療を含めすべての人の生活が一変した年です.本稿の執筆を依頼されたのは昨年末でしたが,真っ先に浮かんだ話題は,25年目の節目を迎えた阪神淡路大震災をきっかけに神戸で作られ,歌い継がれてきた「しあわせ運べるように」にまつわる話題でした.書きかけだった原稿の前半を紹介します.
——今年も1月17日がやってきました.東日本大震災の16年前に,阪神淡路大震災が発生した日です.今年は25年目ということで,いつにも増して追悼イベント,そして防災への注意喚起の催しが市内のあちこちで行われ,メディアも大きく取り上げていました.そこで必ず流れる歌が「しあわせ運べるように」です.この歌には,どうしてだろうと思うほど人の涙腺を緩める力があります.そして,いろいろなこと,幸せとは何かを考えさせる力があります.私がこの歌に初めて触れたのは,平成13(2001)年4月に神戸市立中央市民病院(当時)に転勤し,その12月の神戸ルミナリエの点灯式で,息子が通うポートアイランド内の港島小学校の児童がこの歌を唱うことになっていたため,記念に作成されたDVDを学校から配布されたときでした.初めて聴いたとき,被災した知人はいるものの,親族も含めて犠牲者が近くにいない自分が思わず涙ぐんだことに驚きました.その後何度聴いても,涙をこらえながら聴いています.おそらく皆さんも一度ならず耳にされたことだと思いますが,昨今はYouTubeという便利な動画サイトがありますので,そのいくつかを紹介します1,2).他にも多くの方に歌われていますので,ぜひ一度視聴してみてください.
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