論評
85歳以上高齢者増と若年人口激減への医療界の対応 ―病院の再編と撤退に向けたガイドラインと支援策の必要性―
高橋 泰
1
1国際医療福祉大学大学院教授
pp.14-19
発行日 2025年4月21日
Published Date 2025/4/21
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO2961005
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに 日本は2025年問題を前後して、85歳以上高齢者のさらなる増加と若年人口の急減という二つの大きな人口構造の変化に直面している。これまでは高齢化の進行に伴い、医療や介護への需要は重みを増すとされてきた。しかし今後は若年人口の急減の影響が顕著になり、飲食や小売りなどの業態のように「地域の客と働き手がともに半減すると、地域のお店の数も半分になる」という事態が、医療界にも波及し始めている。生産年齢人口の激減による財政的・人的制約は、医療スタッフの不足を深刻化させ、医療費や社会保障費の確保をますます困難にするであろう。

Copyright © 2025 Syakaihokennkennkyuujo All Rights Reserved.