論評
我が国の医療DXはどうして躓いたのか
阿南 誠
1
1川崎医療福祉大学医療福祉マネジメント学部医療情報学科学科長(特任教授)
pp.12-21
発行日 2024年11月11日
Published Date 2024/11/11
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO2945004
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はじめに 「日本は世界に冠たる技術先進国のはずですが、どうして医療DXは遅れてしまったのですか?」。これは、2024年にインドネシア、マレーシア、オーストラリアが合同でホストを担当し、東南アジアや広く中東からの参加者もあったInternational seminar medical record and health information(500名程がオンラインで参加)での講演後の質疑応答でインドネシアの学生から受けた質問である。当該セミナーのホストから、日本の病院情報システムの歴史を語って欲しいという依頼があり、筆者は幸いなことに昭和50年代の終わりから平成の終わりまで、国立病院において、紙レセプト→レセプトコンピュータ→部門システム→オーダエントリーシステム→電子カルテ、という時代を主に病院情報システム導入の担当者として経験してきたこともあり、講演依頼を引き受けた際の話題である。当該セミナーでは、以前に日本の医療保険制度(歴史と共に主にDPC等の)について講演依頼があり、この時が2度目の講演であった。
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