連載 今月の話題
iPS細胞を用いた心筋再生医療の現在地
窪田 雅之
1,2
,
伊藤 正道
2
1国立精神・神経医療研究センター病院循環器内科
2東京大学附属病院循環器内科
キーワード:
iPS細胞を用いた心筋再生医療の現在地
Keyword:
iPS細胞を用いた心筋再生医療の現在地
pp.1536-1538
発行日 2026年10月1日
Published Date 2026/10/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.43.10_036
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
心筋再生医療が目指すもの
近年,左室駆出率が低下した心不全heart failure with reduced ejection fraction(HFrEF)に対する内科的治療は,fantastic fourと称される4剤併用療法を中心として飛躍的に進歩してきた.しかし,薬物療法抵抗性の難治性心不全に対する治療は限られ,根治的治療は依然として心臓移植に限定されるが,ドナー不足が大きな障壁となっている.こうした背景の中,人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来心筋細胞(iPSCM)を用いた心筋再生医療は,従来の治療概念を覆す可能性を秘めている.過去に行われた骨髄由来細胞などによる細胞治療が,主に血管新生を促すパラクライン効果を期待したものであったのに対し,iPSCMを用いた治療は拍動能を有する心筋細胞そのものを補充し,収縮力を直接的に補完する効果が期待されている.本稿では,日本が世界をリードするiPSCMを用いた心筋再生医療の臨床応用の現状と,今後の課題について概説する.

Copyright © 2026 Bunkodo Co.,Ltd. All Rights Reserved.

