特集 肺 炎
                        
                        
                
                  
                  
              
              
              
                  
                  
                  
                  
                            
                                    セミナー 肺炎診療のさまざまな側面におけるポイント
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    その他の感染性肺炎の診断と治療
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                井手口 周平
                                            
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                                                山本 和子
                                            
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                  1琉球大学大学院感染症・呼吸器・消化器内科学講座
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
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                                    ▶肺真菌症の診断はしばしば困難である.診断の遅れは予後不良につながるため鑑別に苦慮する際は早めに呼吸器専門医に相談し早期診断,早期治療を心がける.
                                
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                                    ▶肺真菌症において喀痰培養検査の感度は高くないため,気管支鏡検査による感染局所からの検体採取を検討する,さらに画像所見や血清学的検査を組み合わせて総合的に診断する.
                                
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                                    ▶侵襲性肺アスペルギルス症や肺ムーコル症は特に進行が早く死亡率が高い.疑った時点で検査と治療を並行して開始する.
                                
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                                    ▶慢性肺アスペルギルス症および単純アスペルギローマはしばしば喀血が問題となる.日頃から血痰の症状をこまめに確認し,症状出現時には気管支動脈塞栓術や外科治療を検討する.
                                
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                                    ▶ニューモシスチス肺炎は他の間質性肺炎(薬剤性,ウイルス性,膠原病に伴う間質性肺炎など)との鑑別がしばしば困難である.気管支鏡検査で採取した検体のPCR検査や血清β-D-グルカン(BDG)の結果から総合的に判断する.
                                
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                                    ▶肺寄生虫症はまず可能性を疑うことが重要である.説明のつかない末梢血好酸球上昇や細菌性肺炎や他の肺疾患として非典型的な経過である場合に鑑別にあげる.
                                
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                                    ▶病歴聴取が最も重要であり,抗寄生虫抗体スクリーニング検査は診断に有用だが陰性となる場合もあり注意する.
                                
                                
                            
                        
                
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                                    ▶肺真菌症の診断はしばしば困難である.診断の遅れは予後不良につながるため鑑別に苦慮する際は早めに呼吸器専門医に相談し早期診断,早期治療を心がける.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶肺真菌症において喀痰培養検査の感度は高くないため,気管支鏡検査による感染局所からの検体採取を検討する,さらに画像所見や血清学的検査を組み合わせて総合的に診断する.
                                
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                                    ▶侵襲性肺アスペルギルス症や肺ムーコル症は特に進行が早く死亡率が高い.疑った時点で検査と治療を並行して開始する.
                                
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                                    ▶慢性肺アスペルギルス症および単純アスペルギローマはしばしば喀血が問題となる.日頃から血痰の症状をこまめに確認し,症状出現時には気管支動脈塞栓術や外科治療を検討する.
                                
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                                    ▶ニューモシスチス肺炎は他の間質性肺炎(薬剤性,ウイルス性,膠原病に伴う間質性肺炎など)との鑑別がしばしば困難である.気管支鏡検査で採取した検体のPCR検査や血清β-D-グルカン(BDG)の結果から総合的に判断する.
                                
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                                    ▶肺寄生虫症はまず可能性を疑うことが重要である.説明のつかない末梢血好酸球上昇や細菌性肺炎や他の肺疾患として非典型的な経過である場合に鑑別にあげる.
                                
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                                    ▶病歴聴取が最も重要であり,抗寄生虫抗体スクリーニング検査は診断に有用だが陰性となる場合もあり注意する.
                                
                                
                            
                        
                
                pp.1700-1705
                
                
                
                  発行日 2025年11月1日
                  Published Date 2025/11/1
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.11_016
                
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はじめに
免疫抑制治療の普及や高齢化に伴い,真菌・寄生虫による肺感染症は日常的な鑑別疾患となったが,一般内科医にとっては専門性が高く,また診断に気管支鏡検査を要することが多いため,疑った時点で早期の呼吸器専門医への紹介が重要である.診断の遅れは致死率に直結する一方,近年は非培養学的迅速検査やトリアゾール系新薬の登場により治療成績が改善しつつある.本稿では感染性肺炎(肺病変)となる代表的な肺真菌症と肺寄生虫症について各疾患の最新ガイドラインに基づく診断・治療戦略を提示する.

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