特集 画像診断レポート ここだけは落とせない!主治医に伝えるべきポイント
第3章 呼吸器
5 感染性肺炎
佐藤 晴佳
1
,
岡田 文人
1
,
浅山 良樹
2
1大分県立病院 放射線科
2大分大学医学部 放射線医学講座
キーワード:
肺炎
,
感染症
,
起炎微生物
Keyword:
肺炎
,
感染症
,
起炎微生物
pp.1277-1283
発行日 2022年10月31日
Published Date 2022/10/31
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000002125
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日常診療において,呼吸器疾患で最も多く経験するのは感染症であり,感染症に対しての画像診断の活用法は日本呼吸器学会が作成したガイドラインに掲載されている。肺感染症の診断は,起炎菌の同定によって最終的になされるが,感染症を示唆する呼吸器症状や炎症所見,および胸部単純X線にて新たな異常所見が認められれば診断は比較的容易である。通常はCTは必要ではないが,抗菌薬治療への反応が乏しい場合や非典型的な画像所見を呈する場合,悪性腫瘍の存在と合併症の把握が必要な場合においては,胸部単純X線に引き続き,胸部CTが施行されることがある。さらに,通常の肺炎のCT診断には造影の必要はないが,合併症としての膿瘍や膿胸の評価,ノカルジアなどの特殊な感染症,悪性腫瘍の存在,結核性リンパ節炎などが疑われる場合には,病変の造影効果が診断に有用となることがある。
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