特集 がん検診とリスク層別化検診の課題
セミナー① 一般集団を対象としたがん検診の最近の話題
便潜血キットの改良に伴う性能変化
細野 覚代
1
1国立がん研究センターがん対策研究所検診研究部
キーワード:
▶便潜血検査免疫法の検査精度は便潜血検査化学法を上回る.
,
▶定期的に便潜血検査を受診すれば大腸内視鏡検査と同等の大腸がん発見率が期待できる.
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▶便潜血検査免疫法のカットオフ値を統一すると,がん検診の質が向上する可能性が高い.
,
▶カットオフ値を変更する場合は,要精検率の他に大腸がん発見率・陽性反応的中度なども考慮する.
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▶郵送による検体回収は受診率向上の手段として期待されるが,精度管理上の課題がある.
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▶便潜血検査陽性者の精密検査は全大腸内視鏡検査を行う.
,
▶便潜血検査陽性者に精密検査として再度便潜血検査を実施してはならない.
,
▶住民の精検受診を支援することが地域の医療従事者に求められている.
Keyword:
▶便潜血検査免疫法の検査精度は便潜血検査化学法を上回る.
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▶定期的に便潜血検査を受診すれば大腸内視鏡検査と同等の大腸がん発見率が期待できる.
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▶便潜血検査免疫法のカットオフ値を統一すると,がん検診の質が向上する可能性が高い.
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▶カットオフ値を変更する場合は,要精検率の他に大腸がん発見率・陽性反応的中度なども考慮する.
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▶郵送による検体回収は受診率向上の手段として期待されるが,精度管理上の課題がある.
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▶便潜血検査陽性者の精密検査は全大腸内視鏡検査を行う.
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▶便潜血検査陽性者に精密検査として再度便潜血検査を実施してはならない.
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▶住民の精検受診を支援することが地域の医療従事者に求められている.
pp.1352-1356
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.09_010
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はじめに
便潜血検査は1992年に対策型検診として大腸がん検診が導入された時点から便潜血検査免疫法(以降,免疫法)が用いられ,現在はほぼすべての市区町村が免疫法2日法を大腸がん検診として実施している.便潜血検査は国立がん研究センターが作成した「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン2024年度版」1)(以降,ガイドライン2024年度版)において推奨グレードAと評価され,無検診と比べて有意な死亡率減少効果がある.ここでは,特に免疫法に関する最新のエビデンスと試みについて紹介する.

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