今月の主題 First-line検査
よくみる異常所見へのFirst-line検査
便潜血陽性
石森 章
1
,
藤本 秀江
1
1東北大学医学部臨床検査診断学
pp.774-776
発行日 1994年4月10日
Published Date 1994/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902698
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ポイント
●便潜血陽性の結果は,口腔から直腸に至る消化管内に出血があったかもしれないという疑いを示すに過ぎない.
●化学的反応で正確な判断を下すためには,検査前3日間の潜血食を与えたり,食事,投薬内容,採便や検体の取扱いに注意する.
●特異性の高いグアヤック法と鋭敏なオルトトリジン法を組み合わせることにより,感度・特異度ともに信頼性の高い結果が得られる.
●ラテックス凝集法や逆受身血液凝集法などによる免疫学的方法は,ヒトHb特異抗体を用いる方法であり,特異性に優れ,大腸癌スクリーニングに汎用されている.ただし,上部消化管出血に対する信頼度は低い.
●化学的便潜血反応と免疫学的便潜血反応の特徴を表1に示す.
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