特集 関節リウマチ
セミナー 関節リウマチ患者を診療するうえでのポイント
関節診察方法
小笠原 倫大
1
1順天堂大学医学部膠原病内科
キーワード:
関節診察方法
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▶関節痛(arthralgia)(主観的な関節痛)と関節炎(arthritis)(客観的な関節腫脹や機能障害)の識別が重要.
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▶関節診察における基本的なステップは,視診,触診,関節可動域の評価の3つである.
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▶炎症の4兆候「腫脹,熱感,圧痛,発赤」のうち,圧痛と腫脹の判断が特に重要である.
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▶圧痛は,解剖学的な病変部位を判断するのに有用である.
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▶関節腫脹は,関節可動域に影響を与える可能性があり,可動域制限も腫脹の判断に有用である.
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▶朝のこわばり(morning stiffness)の持続時間は,炎症性か非炎症性かを判断するのに役立つ.
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▶PIPやDIPの触診は,両手の母指と示指をCの字にして,側面と上下から関節を挟んで行う.
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▶MCP関節は,両母指あるいは片手の母指と示指で伸筋腱の内外側の関節裂隙を触診する.
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▶肘関節:肘頭と外側上顆の間の小さな凹みの消失,肘伸展制限が腫脹の判断に有用である.
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▶肩関節:肩甲上腕関節炎では,肩関節の外転にて全域にわたって痛みがみられ,外転と外旋が最も早期かつ重度に制限される.
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▶膝関節:視診にて,健常では仰臥位で,膝蓋骨と大腿の間に凹みがあるが,腫脹があるとその凹みがなくなる.膝が大腿よりも暖かく感じられる場合,炎症が疑われる.
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▶5MTPはRAの滑膜炎・骨びらんが早期にみられやすい部位なので,特に注意して触診する.
Keyword:
関節診察方法
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▶関節痛(arthralgia)(主観的な関節痛)と関節炎(arthritis)(客観的な関節腫脹や機能障害)の識別が重要.
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▶関節診察における基本的なステップは,視診,触診,関節可動域の評価の3つである.
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▶炎症の4兆候「腫脹,熱感,圧痛,発赤」のうち,圧痛と腫脹の判断が特に重要である.
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▶圧痛は,解剖学的な病変部位を判断するのに有用である.
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▶関節腫脹は,関節可動域に影響を与える可能性があり,可動域制限も腫脹の判断に有用である.
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▶朝のこわばり(morning stiffness)の持続時間は,炎症性か非炎症性かを判断するのに役立つ.
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▶PIPやDIPの触診は,両手の母指と示指をCの字にして,側面と上下から関節を挟んで行う.
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▶MCP関節は,両母指あるいは片手の母指と示指で伸筋腱の内外側の関節裂隙を触診する.
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▶肘関節:肘頭と外側上顆の間の小さな凹みの消失,肘伸展制限が腫脹の判断に有用である.
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▶肩関節:肩甲上腕関節炎では,肩関節の外転にて全域にわたって痛みがみられ,外転と外旋が最も早期かつ重度に制限される.
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▶膝関節:視診にて,健常では仰臥位で,膝蓋骨と大腿の間に凹みがあるが,腫脹があるとその凹みがなくなる.膝が大腿よりも暖かく感じられる場合,炎症が疑われる.
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▶5MTPはRAの滑膜炎・骨びらんが早期にみられやすい部位なので,特に注意して触診する.
pp.1174-1180
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.08_008
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はじめに
関節診察において,関節痛(arthralgia)(主観的な関節痛)と関節炎(arthritis)(客観的な関節腫脹や機能障害)の識別が重要である.関節診察における基本的なステップは,1.視診,2.触診,3.関節可動域の評価(range of motion,ROM)の3つである.

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