Clinical Report 筋ジストロフィー症例報告
福山型先天性筋ジストロフィーの不眠合併例
佐藤 孝俊
1
1東京女子医科大学小児科
pp.23-26
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0119.02.02_0023-0026
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福山型先天性筋ジストロフィー(Fukuyama congenital muscular dystrophy:FCMD)は,FKTNを原因遺伝子とする常染色体劣性遺伝性疾患である1).坐位までの運動発達にとどまることが多く,脳奇形を伴う.中等度以上の知的障害を合併し,約半数で熱性けいれんやてんかんを認める.FCMDにおいて,不眠もまた,しばしば経験される合併症の一つである.眠れない児は,かまってほしいがために夜間に騒ぎ,周囲の介護者を巻き込むことが少なくない.一方で,その実態についての報告は乏しく,対応は症例ごとに手探りとなっているのが現状と考えられる.我々は,2013年に当科通院中のFCMD症例に合併した不眠についてまとめ,その頻度や睡眠薬の使用について明らかにした2).その後,9年間が経過し,小児適応のある新規睡眠薬も上市されたため,今回,改めて検討を行った.本稿では,まず不眠合併例の症例を呈示した後,当科通院中のFCMD症例について,最近の実態をまとめる.
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