特集 食品安全の最前線―感染症の観点から―
7.ノロウイルスによる食中毒・感染性胃腸炎に関する最近の知見
木村 博一
1
1群馬パース大学大学院保健科学研究科医療科学領域教授
pp.51-55
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0108.03.02_0051-0055
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ノロウイルス(NoV)は,カリシウイルス科,ノロウイルス属に分類され,ロタウイルスなどと同様に,世界的にウイルス性胃腸炎の主要な原因であることが示されている1,2).わが国では,2006/07シーズンに,NoVは胃腸炎の世界的大流行(パンデミック)を引き起こし,それ以来,社会的かつ公衆衛生学的な大きな問題として注視されている.また,NoVは世界各国で大規模な食中毒の原因となっており,その一例として,2017年には,NoVに汚染された刻み海苔を原因とした大規模な食中毒(学校給食)事例が東京都と和歌山県で発生したことは記憶に新しい3).本稿においては,NoVを原因とする食中毒・感染性胃腸炎の疫学や分子疫学を中心とした新しい知見を紹介する.
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