視点
高齢者福祉施設でのノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生
田中 知徳
1
1福山市保健所長兼福山市保健福祉局
pp.690-691
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100146
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福山市は広島県東部に位置し,東は岡山県と県境をなし,南には瀬戸内海を臨む,人口約42万人の中核市です.かつては万葉集で大伴旅人にも詠まれた,潮まち風まちの港として栄えた鞆の浦を始めとする歴史深い街です.現在は豊かな自然の恵みによる農林水産業が盛んな一方,備後地域における商工業の中心を担っており,文字通りの中核都市であります.
急激な少子高齢化の進展が本市においても重要な課題となっている中で,本年1月に高齢者福祉施設において,ノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生が起こりました.入所者,職員併せて67人が下痢,嘔吐,発熱のいずれかの症状を呈し,入所者の有症者の内,7人の方が亡くなられました.有症者の38人の便からノロウイルスが検出され,さらに,無症状者17人からもノロウイルスが検出されました.
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