特集 ノロウイルス研究の最前線
6.ノロウイルスに汚染された「刻みのり」による大規模食中毒事例
貞升 健志
1
1東京都健康安全研究センター微生物部
pp.37-41
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0108.01.01_0037-0041
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2016年10月に発生した冷凍メンチカツを原因とする腸管出血性大腸菌食中毒事例1)では,包装袋に記載の方法で調理したにも関わらず腸管出血性大腸菌が残存し,喫食者に中毒事故が発生した.このように近年の食中毒事例は単純な事例のみではなく,通常ではあまり想定されなかった事例が時として起きる.2017年2月には「刻みのり」を使用した学校給食が原因となり,都内10の小中学校で患者数1,193名に及ぶノロウイルス(Norovirus:NoV)による大規模食中毒(4事例)が発生した.検査の結果,すべての事例の患者からNoV GⅡ.17が検出された.以下,本事例の概要を検査部門の立場から時系列ごとに追ってみたい.
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