薬物療法マネージメントのこつ
乳癌診療とがん治療関連心機能障害(cancer therapy-related cardiac dysfunction:CTRCD)
川口 展子
1
1京都大学医学部附属病院腫瘍内科/京都大学大学院医学研究科リアルワールド研究開発講座特定助教
pp.48-52
発行日 2023年5月30日
Published Date 2023/5/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.07.02_0048-0052
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
がん治療関連心機能障害(cancer therapy-related cardiac dysfunction:CTRCD)はがん治療中または治療後に心不全症状の有無にかかわらず,左室駆出率(LVEF)が低下する病態であり,LVEFがベースラインよりも10%ポイント低下して50%を下回る状態である。がんの治療成績が向上した昨今,晩期有害事象として再認識され腫瘍循環器学として診療連携,体制構築が進んでいる。本稿では乳癌治療におけるCTRCDのマネージメントについて紹介する。CTRCDのリスクは患者因子と治療因子により評価される。マネージメントは治療前・治療中・治療後に分けて考えられるが,乳癌治療担当医にとっては治療前の評価と治療計画,その後のモニタリング,適切なタイミングでの循環器内科への紹介が重要である(図1)1)2)。
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.